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商議所=ペトロブラス 川上氏が講演=日本企業との連携語る

ニッケイ新聞 2013年6月22日

 ブラジル日本商工会議所主催の「6月定例昼食会」が14日、サンパウロ市のホテルで開かれ、ペトロブラス社の川上オズワルド氏が「サントス海盆と日本」をテーマに講演を行った。
 リオ〜サンパウロ州沖に続く広大なサントス海盆での相次ぐ油田発見により、大産油国となったブラジル。08年に岩塩層下(プレサル)に新たに発見された超深海油田の埋蔵量は「中近東に次ぐ世界最大規模」と言う。
 その海盆で原油生産業務責任者を務める川上氏は、採掘の進行状況や、沿岸300キロ以上も離れた地点での業務に伴う危険や困難、プラットホームの設置状況等を説明。2018年までには3千人近くが海盆での作業にあたることを見込み、人材育成に力を注いでいるところだという。
 日本企業は岩塩層下の採掘事業に当初から参入しており、「日本の競合各社が物流プロジェクトを当社に提案しているし、JFEホールディングスと新日鉄住金は、ペトロブラス社に特化した技術を開発している」と日本企業との協力関係を紹介。全プラットホーム同士を光ファイバーでつなげ、情報共有ルートを開く事業にも、日本企業の参画が予想されているという。
 川上氏はサンパウロ州立大学土木工学科および石油工学科卒業、ドン・カブラル財団や米国ケロッグ経営大学院等をへて、1979年国営石油会社ペトロブラスに入社。2000年に東京事務所代表、2008年には南西石油社長に就任、商議所会頭もつとめた。
 来月は「サンタカタリーナ州視察見学会」、11日には金融部会がセミナー「ブラジル為替金利の見通し」(講演者=ブラジル三菱東京UFJ銀行・川原一浩取締役、午後4時〜)を開催する。
 また、JETROが7〜8月にかけて計6回、進出企業を対象とした法務・労務・税務に関する少人数制の勉強会も行う。
 ブラジル東京海上では、原島朗取締役社長が退任し酒井浩一郎氏が就任、ダイワ・ブラジル社には平岡好信氏が社長に就任したことが報告された。

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