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ニッケイ新聞 2013年7月31日

 「寄生虫外国人は出て行け!」との言葉まで出てきた「在日ブラジル人に影落とす外人嫌悪=罵詈雑言並ぶアンケート=9割が否定的な意見示す」という19日付け本紙記事に心を傷めた読者も多かっただろう。日本の日本人一般の9割がそうだという訳ではない。通常の無差別に問うアンケートではなく、ネット上で関心のある人だけに呼びかけた調査なので、外国人嫌いの人の回答が集中してしまったようだ▼でも、そんな人がかなり存在するのは事実であり、それもまた日本の現実だ。若者に広がるこの傾向を和らげるにはどうした良いか——と考え込んだ▼外人嫌悪は、在外日本人の体験が日本で知られていないことの裏返しだと思い当たった。日本人が外国で差別された体験を身近に感じている人なら、日本国内の外国人を無意味に嫌ったり、蔑視したりしない。在外の日本人に血が繋がるものへの親近感が足りないことが、外国人排斥的言動に繋がっている気がする▼前々から思っていたが、日本の新聞は全国紙でも地方紙でも国際面は大半が1頁しかない。伯字紙は毎日3頁前後、多い時は5頁という日もある。日本の新聞も国際面を最低2頁にして、第2国際面に在外日本人や日系人のニュースもたまに入れたらどうか▼在日外国人と在外日本人は「鏡合わせ」のように立場が似ている。在日韓国人二世などは、当地の日系二世に対応するだろう。日本の日本人がもっと国際ニュースや日系社会に関心を持つことで、在日外国人を親密に思えるようになるのではないか。ぜひ日本の新聞関係者には国際面2頁化を真剣に検討してほしい。(深)

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