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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年8月7日

 5日朝のグローボTVで恐ろしいニュースが流れた。マラニョン州の刑務所ではこの3カ月間だけで計62人もの囚人が逃げ出し、捕まったのは10人という。同州の刑務所は2200人分の収容能力を持つが、2倍以上の5400人が入っている。「所内の待遇が悪いから」とはいえ逃亡は正当化されない▼刑務所から麻薬密売人のボスが携帯電話で外に指令を飛ばしていたという類いのニュースは珍しくないが、呆れたことに刑務所の中で麻薬を量って小袋に分ける作業をして、外の売人に渡していたとのニュースまであった。「刑務所」なのか「公営無料アパート」なのかと耳を疑うばかりだ▼『Brasil de Fato』紙12年12月5日付けによればブラジル刑務所の囚人総数は51万4582人にもなる。内訳は麻薬関係12万5千人、強盗・泥棒・詐欺犯が24万人だ。こんなに捕まっているのに殺人事件のわずか8%しか解決されていない。つまりが全員逮捕されても拘留しておく場所はない▼驚くことにこれでも世界4位だ。堂々たる1位は米国の220万人、中国160万人、ロシアの70万人に次ぐ。ちなみに日本は10年末時点で約6万5千人しかいない。人口比で言えば、ブラジル人口千人のうち刑務所には2人だが、米国では7人も入っており、北米も治安が良い訳ではないことが分かる▼先日、さる政党広告を見ていたら当地では受刑者一人にかかる費用は年4万レアルという。ところが義務教育の生徒には4千レ余りで、投資するべき先がまったく逆の状態だとか。当地の刑務所人口はこの20年間で350%増とか。この調子で行ったら…。(深)

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