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ニッケイ新聞 2014年2月13日

 W杯が近づいていることを受け、日本のメディアもブラジルに目を向けている。某雑誌から「日系家族を取り上げたい」との話を受けた。個人の移住史は多く聞いてきたが、家族単位では…。考えあぐねた末、日野寛幸さん(67)にお願いすることになった。独自の取り組みをチラリと聞いたことがあったからだ▼日野さんといえば、聖州公立校の日本文化体験プロジェクト『ビバ・ジャポン』の立役者であり、デカセギ子弟の支援でも知られている。個人としての業績は存じ上げていたのだが、改めて家族の話を聞き、うなった▼91年に親族や移住時の構成家族を含めた6家族でシッチオを共同購入。宿泊施設の建設、果樹栽培などで手を携えてきた。興味深いのは、会計簿、議事録を作成、2年に一度総会を開き、選挙も行う団体運営の形を取っていることだ。理由は「子供たちに社会の制度を学ばせるため」。教師だった日野さんをはじめ、弁護士、医師、会計士、製造・販売業など様々な職に就く大人が、自然のなかで体験を伝え視野を広げさせる。いわば、家族ぐるみの教育システムだ。イベントを催すことで、家族の結束も固まる▼急な取材依頼にも関わらず約30人が集まったことがその証左だ。現在運営の要にいる次世代の一人は「この仕組みを子供たちに伝えたい」。しっかりとその精神を受け継いでいる▼それを確認したのか日野さんは今、家族のルーツ、移住体験を残そうと自分史の執筆に取り掛かっている。こうした思いの蓄積が「ビバ・ジャポン」に繋がったのだろう。08年の発表会で見たブラジルの子供たちの笑顔が蘇った。(剛)

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