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■記者の目■W杯=資金に悩む開催都市文協=〃オール日系〃の支援を

ニッケイ新聞 2014年2月18日

短期間に最低でも5千人(=第一次販売時に日本に割り当てられたW杯のチケット数)もの日本人が当地を訪れる大イベントは珍しい。しかも日本代表のグループ戦試合会場となるのはレシフェ、ナタル、クイアバという地方都市だ。特に殺人事件の発生率の高いレシフェなど、治安はけっして良いとは言えない。

昨年末にエクアドルで新婚旅行中の日本人夫婦が死傷した事件は記憶に新しい。大会期間中にそれに類した事件が起これば、日本から見たブラジルの印象は一気に悪化する可能性がある。

会場都市の交通インフラ整備は大幅に遅れており、団体旅行で来る日本人は問題ないだろうが、ぶっつけ本番で試合チケットだけを手にやってくるようなサポーター(応援者)には、治安情報などを注意喚起する必要があるだろう。見るからに〃日本人〃というサポーターが、事件に巻き込まれる可能性が高いのは、聖市以上にノルデスチではないか。

日系人や日系団体が多い聖市より、実際の試合会場付近でこそ、本来はしっかりと注意喚起をする必要がある。にも関わらず、本面トップ記事中にあるように3都市の日系団体は活動内容を模索し始めているが、支援活動にかかる経費の問題が重くのしかかっている。

すでに現地空港に情報窓口の設置を決めるなど、最も積極的な動きを見せているナタル日本人会の中村恵美子さんは、「現在は個人の時間と交通費程度しか負担はないですが、最初は一緒になってやってくれた方々も、やはり時間の無駄と言う事で段々減っていく事と思います」と嘆く。本格的な活動をしようとすればするほど、個人の善意だけでは立ち行かなくなってくる。今後のメンバーの士気にも関わってくる重要な問題だ。

こういった状態に陥ってしまうのは、それぞれが「地域単位」でしか活動が出来ていないからではないか。「地方で勝手にやっていること」と受身になることなく、ブラジル全体のイメージに関わることとして、全伯日系社会が一丸となった支援活動は出来ないものか。具体的に挙げるなら、3都市の日系団体への資金援助だろう。

特に、ブラジル日本文化福祉協会を中心とした日系5団体からの援助ができないか。3都市の日系団体側からも明確な活動内容と予算を出す必要があるが、商議所の力添えがあれば、進出企業への依頼も容易なはず。

現状の5団体は「在聖総領事館のお手伝い」との受身の姿勢が強いが、〃日系の本丸〃サンパウロの中核を担う5団体だからこそ、全伯日系が力を合わせるように旗を振ったらどうか?(酒)

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