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武蔵野美大=WSで日本画の手法紹介=「日伯交流展」も開催中

ニッケイ新聞 2014年3月15日
顔料と膠を混ぜる参加者たち。手前の二人が内田教授と木島さん

顔料と膠を混ぜる参加者たち。手前の二人が内田教授と木島さん

日伯交流展を開くため現在来伯している武蔵野美術大学・日本学科研究室(東京)の内田あぐり主任教授、非常勤講師の木島孝文さんらが先月27、28日、サンパウロ市ビラ・マダレーナ区のアトリエ・フィダルガで「日本画ワークショップ」を行った。

アーティストら9人が参加し、初日は墨絵と筆の使い方を、二日目は両国の顔料を使った日本画の制作を体験した。

日本画で使われる顔料は、鉱石などを砕いた岩絵具が中心。粉末状の顔料に膠をくわえ、指で混ぜて使用する。木島さん(39、東京)によれば「天然の岩絵具は色あせない。長いもので千年は色もちする」という。

4年前、日本文化庁の在外研修員として1年間サンパウロ市のデコ画廊で研修し、2年前には当地で個展とワークショップを開いた。「サンパウロは人が魅力的。日本の作家と一緒に交流できれば」との思いがあったという。

国際交流にも力を入れている同大は、同研究室による事業案を採択。内田主任教授(65、神奈川)も「さまざまな文化が混濁したバイーアの文化に興味があった。天然植物染料も調べたい」と初来伯に意気込んでいる。

駆け出しのアーティストの活動拠点となっている同アトリエで、若いアーティストの参加者らは熱心に説明を聞きながら活動に没頭していた。木島さんは「すごく楽しそうに体験している。彼らにとっては未知の技法だから、この先の活動に貢献できるのでは」と期待を込め話した。

東洋哲学を取り入れたアートを制作しているというレナト・レアルさん(40)は「故郷のサントスで、日系の友人にお茶会に招かれたこともあり日本文化に関心を持っていた」と参加の動機を語った。

日伯両国のアーティスト25人による交流展『A ARTE ENTRE DOIS MUNDOS – contemporanea Japao-Brasil』は、23日までアフロブラジル美術館(Av. Pedro Alvares Cabral, s/ n, portao 10, Parque Ibirapuera)で開催中。

また今月6、7、8、9日にも、同アトリエおよびデコ画廊で日本画ワークショップが開かれ盛況だった。

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