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サンパウロ、食の楽しみ

ニッケイ新聞 2014年3月27日

サンパウロでは、ブラジル料理、フレンチやイタリアンはもちろん、世界中の料理を楽しむことが出来ます。日本も四季折々かなり食にこだわりがある国ですが、ブラジルのお宅にお招き頂いたり、レストランや居酒屋などに行くと、ブラジルの人々も大勢で飲んだり食べたりするのが大好きなんだなぁと実感します。

そんなサンパウロで、現在「レストランウィーク」というイベントが開催されています。3月17日から30日まで、加盟レストランにて、ランチを37.90レアル(およそ1795円)、ディナーは49.90レアル(およそ2765円)の統一価格で楽しめます。ちょっと贅沢な値段の様ですが、前菜、メイン、デザートも付いたコースで、通常はこの2倍3倍はする高級なレストランもこの期間はこの統一価格で提供しているので、ここぞとばかりに楽しみにしている人が多いんです。

さらに、この食事代に1レアル以上を足すと、毎回事前に告知される社会活動に寄付されます。年に2回開催されるこの「レストランウィーク」。1990年にニューヨークで始まり、2007年にブラジルにやって来たのですが、今ではブラジルの20以上の都市で親しまれているそうです。

ブラジルに来てから2月に出産するまでは、サンパウロの様子を知りたいと週末にしばしば外食していましたが、最初はどこのお店に行ってもガラガラで不思議に思っていました。夕食だと18時に開店するお店に19時頃入ってもお客さんは私たちだけだったり。日曜のランチも12時の開店時間からしばらくして行っても貸し切りの状態。

ブラジルで過ごす時間が長くなるに連れ、またブラジルの友人が出来るに連れ、ナゾが解けました!どうやらブラジルでは夕食の時間(特に土曜日!)が遅いんですね!そもそも開店が18時ではなく19時や20時のお店も多く、お店が満席になるのが22時くらいなんです。そして日曜日は昼12時から17時くらいまで営業して、夜は閉まっているお店が多いです。12時に行くとやはりかなり空いていて、14時くらいにようやく賑やかになります。しかも開店時間ちょうどに行くと、色々整っていなかったり、まだ開店していなかったりすることも・・・。

そんな調子で、日本人の私はいつもブラジルの人々と食事の時間がずれていたため、当初はどこへ行っても貸し切りの状態を満喫していましたが、いつしか私も土曜の夜遅い夕食から日曜の遅い午後のランチ、というブラジルの流れを周りと共に楽しむようになっていました。出産後間もない今は、自宅でもゆっくり食事をすることはあまりありませんが、ブラジルにいる間にいつかまたそんなゆったりな週末が訪れますように。

プロフィール

竹内 香苗(たけうち かなえ)。愛知県出身のフリーアナウンサー。約10年間過ごしたTBSでは『はなまるマーケット』『朝ズバッ!』などに出演。夫のブラジル赴任に伴い12年に同局を退社し、ホリプロに所属。同年11月よりサンパウロ市に滞在している。

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