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サンパウロ市議会=菊地義治氏を名誉市民に=援協での活動認められ

ニッケイ新聞 2014年3月28日
家族とともに受章をよろこぶ菊地さん

家族とともに受章をよろこぶ菊地さん

サンパウロ日伯援護協会の会長である菊地義治さん(岩手、73)が、サンパウロ市より『名誉市民』の称号を贈られ、24日夜、サンパウロ市庁舎8階の貴賓室で贈呈式が行われた。菊地氏を推薦した野村アウレリオ市議をはじめ、親族、援協やその他日系団体の関係者、友人ら約300人がかけつけ、共に喜びを分かち合った。

贈呈式に先立ち、菊地さんが力を入れてきた自閉症児の自立支援活動のひとつPIPA(自閉症児療育学級)の生徒たちが歌を披露し、会場を和ませた。

「サンパウロ市名誉市民」は、市外より移り住み、同市の発展や福祉に貢献した人に贈られるもの。日本人としては、12年6月の大部一秋在聖総領事(当時)以来となった。

1959年、19歳で南米産業開発青年隊員として来伯し、パラナ州で稲作の改良事業に従事した。65年にサンパウロ市に移り住み、自営業をはじめた。長年本門仏立宗を信仰し、日教寺の運営にも参加してきた。80年代には「こどものその」の役員、97年から援協理事、01年に副会長、11年から現職。

88年に設立された日伯友好病院の経営安定に貢献し、自閉症児療育学級を創立、薬物に頼らない自閉症児の自立支援活動を推進するなど、福祉分野における貢献が評価された。

公益社会福祉法人としての認可を維持するため組織改変を迫られるなど転機を迎えた援協の運営にも貢献した。

推薦した野村アウレリオ市議は、菊地さんが父丈吾氏らと、イビラプエラ公園内で最初の日本祭の開催に尽力したことに触れ、「出身地の日本と、第二の故郷ブラジルのつながりをつくることにも貢献をしてきた」と称えた。

菊地さんはあいさつで、移民を受け入れたブラジル社会に感謝の意を表し、「この地に移住して幸せ。先人の移住者や、これまで共にともに活動を行ってきた人たちとこの称号を分かち合いたい」と喜んだ。

「おかげ様という言葉を大切にしながら、サンパウロ市そして日系社会のためにがんばっていきたい」と語った。現在療養中で式典に欠席した妻のマリザさんに「嬉しいときも苦難のときも支えくれ、共にがんばってきた」と特別な感謝を表した。

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