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松田氏と参謀達
松田氏と参謀達

国境警備の重要任務遂行=ハイテク新計画の初試験場に=4月少将昇格の松田司令官=ドウラードス基地に訪ねる

 ボリビア、パラグアイと国境を接する南麻州の国境警備最前線の重要拠点、ドウラードス基地で司令官として指揮するのは、4月に少将昇格を果たした松田ルイ・ユタカ氏(53、二世)だ。陸軍が推し進める7大戦略の一つ「シスフロン計画」の初実験地としての重責を担う松田氏を、ドウラードス基地に8日訪ね、その任務や活動を取材した。(石川達也記者)

 西部軍はカンポ・グランデに総司令部(CMO)を置き、650キロにもなる両州の国境線を監視するのが主な役目だ。各州に2つずつ拠点があり、最南部に位置するのがドウラードス基地。パラグアイまで約70キロの国境警備の最前線だ。
 同基地には総員約5千人の「第四機械化騎兵旅団」(Cmt 4ª Bda C Mec)が配置されている。巧みな馬術と勇敢さで知られる原住民の名に因み、グアイクルー部隊とも呼ばれている。
 この日、松田司令官が出席した参謀会議の主要議題は、11月に試験運用が始まる「シスフロン(SISFRON)計画」だった。この計画は、陸軍が推し進める7大戦略の一つで、2009年からの10年間に総額120億レアルが投入されるハイテク新国境警備計画だ。
 全長1万6880キロに及ぶ国境線を有するブラジルは、その国境地帯が資源の盗掘や密輸など国境をまたがる犯罪の温床となっている。それを監視するため、レーダーや無人機、人工衛星を活用し、次世代の国境警備を実現させる。
 ドウラードス基地は全国に先駆けた最初の試験場として任務を負い、成功すれば、その運用方式が全伯へ展開される。松田氏は、08年に陸軍参謀長の副官を務め、同計画にも初期から関わってきた。松田氏に同計画の成否を訪ねると「必ず上手くいく。予算がちゃんと通れば、だけどね」と自信に満ちた様子で笑顔を見せた。
 松田氏はサンパウロ市アクリマソン区生まれ。機械が好きな少年で夢はエンジニアだった。サンパウロ州立総合大学(USP)工学部に進学が決まっていた同氏を、軍隊の道に進ませたのは、日本の軍人精神を敬愛していた父トモアキ氏だった。
 トモアキ氏はUSP入学までの2カ月間、予備士官学校に入ることを勧めた。死者も出るほどの厳しい訓練の中で、松田氏は「軍隊は努力して尽くせば出世出来る。それが自分にはあっていると感じた」と言う。
 いったんはUSPに入学したが、すぐに中退し、陸軍士官学校アグーリャス・ネグラス(AMAN)へ進学。機械と馬が好きだったことから主に戦車の運用を学ぶ騎兵科を専攻。士官学校卒業後は、准尉として南大河州へ赴任。配属された部隊には軍歴10年を越す軍曹が5人もおり「間違った指示は出せなかった。そこでの3年間で相当鍛えられた」と当時を語った。
 その後、AMANの教官や参謀総長の副官を務めた。今後の展望については「努力していつも未来を見ていきたい。これからどういった任務が任せられるかはわからないが、いつも勉強して頑張りたい」と日系人らしい勤勉さで更なる活躍を誓った。

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