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決選投票におけるマリナの役割

 今選挙の特徴は〃逆転〃だ。序盤でのカンポス候補の死でマリナが突然出馬して支持率33%の急上昇を記録し、ジウマ(37%)に肉薄した時には驚愕が広がった。でも後半にアエシオが逆転し、決選投票に割り込む力技を見せた▼PTとPSDB両側から老練な攻撃が繰り返される中で、マリナは的確な反論ができず、急出馬で政策が固まらないまま迷走した悪印象が広がり、4年前とほぼ同じ21%に落ち着いた。3カ月間の選挙期間は長すぎると思っていたが、あるべき数字に終息すると言う意味があったようだ▼興味深いのはずっと19%程度だったアエシオが、なぜか投票直前の2日から急上昇を見せて27%になり、その勢いが継続して投票結果の33%につながった点だ。「PT以外に入れたい」という抗議票の多くが当初マリナに集中していたが、その勢いがそがれたことで、アエシオに乗り換えたようだ▼マリナ支持者の多くは、彼女同様「PT親派だったが反PT派に変った」勢力にみえる。つまりマリナはPT票を割る役割をもって出馬し、決選投票ではその票を左右する影響力を持っている。元PT派がまっすぐにPSDB派に乗り換えることは難しいが、マリナという〃乗り継ぎ〃を経て、結果的に移行することはありえる▼4年前、マリナはPSDBと組することはありえない雰囲気の中で「中立」を発表し、結果的にジウマに味方した。でも今回はアエシオ側に付く。PSDBの34%にマリナ票の過半数が加わればジウマを凌駕できる。マリナがいかに積極的に応援するかで事実上、決選投票が左右される。彼女は次の〃逆転〃劇の主役になれるだろうか。(深)

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