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あいさつする上村館長
あいさつする上村館長

柔道=講道館本部から10人来伯=上村館長「普及の責務ある」=児童100人らに体験教室=24日まで講習会を実施

 ブラジル柔道連盟(CBJ)とサンパウロ州柔道連盟、ブラジル講道館柔道有段者会の要請を受け、講道館(本部=東京都文京区)から上村春樹館長ら10人の指導者が、19日から当地に滞在している。形(かた)の講習会を通じた技術向上などを目的とし、翌日には聖市で100人の児童を対象に体験教室を実施。上村館長は「移住者の指導努力を継承し、普及強化する責務がある」と来伯意義を語った。

実践形式の乱取りも行われた

実践形式の乱取りも行われた

 19日に来伯した一同は移民史料館を見学し、翌20日午前9時から聖市イビラプエラ公園の南米講道館(柔道オリンピック・アリーナ)で開講式に臨んだ。
 関係者約70人を前に、会長代理で挨拶に立った伯柔道連盟のフランシスコ・デ・カルバーリョ・フィーリョ副会長は、「直に教えを受けられることは非常に楽しみ。選手らには、この機会を存分に活用してもらいたい」と期待した。伯国側から記念プレートが贈られ、来伯団からも創始者・嘉納治五郎氏の遺訓書(先代館長の嘉納行光氏直筆)が手渡された。
 午前10時過ぎからはアルモニア、赤間、大志万の三校から未経験者を含めた児童100人を招待し、体験教室を実施。柔道に取り組む上で、「正々堂々と戦う姿勢」「相手を敬う気持ち」が必要だと説き、準備運動に続いて背負い投げや内股、巴投げといった投げ技、受身の実演が行なわれた。
 子どもらも実際に受身や組み手を体験し、経験者は講道館指導者と乱取り(投げ技を掛け合う実践練習)も行なった。最後に礼法の重要性を伝え、記念撮影で締めくくった。
 昨年から柔道を始めたという赤間学院のカワゴエ・グスタボくん(12、四世)は「実際に日本の柔道が見られたことや、組み手指導を受けられ楽しかった」と喜び、非日系のラファエルくん(13)は「実技を見て感動した。もっと強い相手と練習を重ねれば上達できる」と語った。
 76年モントリオール五輪で金メダルを獲得した選手時代を含め、4回目の来伯となった上村館長は「形などの基礎指導以外に、柔道のあるべき姿、歴史や理念も伝える」と開催目的を説明。「欧州始め各国で同様の訪問を行なってきたがブラジルは初めて。以前から関心があり実現できてうれしい」と喜んだ。
 当地の普及背景について、「日本人移住者が柔道を通じた人材育成に力を入れてきた。間違いなく彼らの貢献」と先人を称えた。当地柔道界について「戦い方は正統派。継続することでよりよい結果が生まれるはず。リオ五輪への期待も国内で高まっているのでは」とエールを送った。
 24日まで聖市で講習会を重ね、26日にリオへ移動。CBJによる歓迎会に出席し、同日に帰国する。


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 柔道講道館から10人の指導者を招き行われた開講式には、五輪メダリストも姿を見せた。伯国初のメダリスト石井千秋さん(72年ミュンヘン・銅)や同伯国監督の岡野脩平さん、初の金メダリストのロジェリオ・サンパイオさん(92年バルセロナ)、ラファエル・シルバさん(12年ロンドン・銅)ら豪華な顔ぶれが並んだ。聖州バストスの馬欠場卯一郎さんなども駆けつけ、両国の英傑交流としても価値ある行事になったか。
     ◎
 両国の思いが重なったため実現した今回の講道館訪伯だが、外交120周年ともあって、国際交流基金からの支援もあったよう。ブラジル講道館柔道有段者会の関根隆範会長によれば、滞在経費は伯柔道連盟持ちだが、航空費は基金からだという。今のところ「ぱっとしない」と声も多い周年行事だが、これからが本番か?

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