ホーム | 日系社会ニュース | イミグランテス公園建設開始=宮坂国人財団初の独自事業=構想より10年、前進へ=完工予定は16年末
左からエリオ・オダ、松尾両執行理事、現場の責任者ら
左からエリオ・オダ、松尾両執行理事、現場の責任者ら

イミグランテス公園建設開始=宮坂国人財団初の独自事業=構想より10年、前進へ=完工予定は16年末

 約10年前、宮坂国人財団が日本人移民百周年記念事業として企画した「エコロジコ・イミグランテス公園」構想が、今ようやく形になりつつある。土地は聖市とサントスを結ぶイミグランテス街道沿い、ビリングス湖に隣接した大西洋岸森林の只中にある。州環境局所属フロレスタル財団の技術協力も得て今年3月に着工し、施設入り口がほぼ完成している。これから森の中に遊歩道を通し、講堂や多目的ホール、デジタル図書館を擁した円形状施設の建設が始まる。これまで日系団体への資金援助のみ行ってきた同財団初の独自事業となる。2016年末までの完工を目指す。

建設中の入り口

建設中の入り口

 かつて北大河州から南大河州にかけて東海岸を覆っていた大西洋岸森林。多様な動植物群を有し、アマゾンと並ぶ有数の森林地帯とされるが、農地化などで伐採され、今では元の約7%が断片的に残るだけとなっている。
 絶滅に瀕している原生林とそこに住む動植物を保護し、エコツーリズムや子どもの環境教育に利用しようというのが同事業の趣旨。48万4千平米のこの土地は、南米銀行系の倉庫会社が所有していたもの。自然保護区指定地域のため、州環境局の認可を得るのに手間取った。
 松尾治執行理事は事業の進展を喜び、「交通の便もよいし、利用料は無料なので、完成したら多くの客が来るだろう。子どもたちに自然に接する機会を作り、環境保護に関心を持たせないといけない」と使命感をのぞかせる。
 入り口から施設をつなぐ遊歩道は、地上2~6メートルを走る高架路(872メートル)と、ガイド同伴で自然に触れ合いながら散策できる山道(約1キロメートル)の2種を設置する。建築物にはリサイクル材を利用、雨水タンクや廃水処理場、風力発電機も設置するなど環境に配慮した造り。施設はバリアフリー設計で、街道沿いのサービスエリア横の駐車場から直接アクセスが可能なため、誰もが気軽に利用できそうだ。
 宮坂国人財団は1998年、同銀行の資産等を集めて設立されたもの。総工費1100万レアル中500万レは、財団の資産運用を担う「サンタエルシリア・ホールディング」が出資した。残額についてはこれから企業に協力を募る。

完成図

完成図

 公園が属するサンベルナルド・ド・カンポ市も全面的にバックアップする旨を示しており、すでに市の予算でガイドを養成中という。

※その他の完成図等は宮坂国人財団のサイト(www.fkm.org.br/parque-ecologico-imigrantes/parque-ecologico-imigrantes-3)を参照。

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 エコロジコ・イミグランテス公園構想が実現に向けて動き出したのは09年。宮坂国人財団は同年4月に聖州工業連盟で構想発表を行い、そこで11年の完工を目指すと発表していた。しかし、自然保護区だけあって、なかなか州環境局の認可が下りなかった上、当初の設計図も建設地の実情にそぐわないものだったとか。見積もりも相当楽観的な数字だったらしく大幅な見直しが行われたようだ。そのおかげで今のところ工事はスムーズに進行中。松尾治執行理事も、「現場の責任者らは皆熱心な人ばかりでありがたい」と満足気。

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