【既報関連】お茶・ドリップコーヒーバッグ包装機を製造販売する「不双産業株式会社」(静岡県菊川市)がブラジル進出を目指し、サンパウロ市エキスポセンター・ノルテであった食の見本市「Fispal」に初出展した。手軽に本格コーヒーが楽しめる日本で人気の「ドリップコーヒー」(一杯抽出型)を実演して振舞った所、当地では珍しいパッケージに関心が集まった。
不双インターナショナルの伊藤慶人・南米営業担当は、「ブラジル人の反応はすごくいい。何かしら新しいものを探している人が多いようで、『初めて見た』『どこで買えるのか』と熱い反応が返ってきた」と手ごたえを感じた様子。「ドリップコーヒーバッグは小家族の人や一人暮らしの人には便利。オフィスに置くのが入り口になるんじゃないかと思う。エスプレッソと、日本の薄めコーヒーの中間くらいの味を狙いたい」と意気込みを語った。
同社は商社ナサコーポレーションと提携し、「不双インターナショナル」のブランド名で国外販路の開拓を進めている。同包装機は一台1500万円(税抜き)。アジア諸国を中心に普及しており、このほど米国に1台導入された。伊藤さんは「自社で機械を持たなくても委託製造で結構広がる。1台入るとぜんぜん違う」と、当地でも初めの1台に期待を寄せている。
今回の見本市では関連企業が多数出展していたことから、大手コーヒーメーカーや輸入業者、機械メーカーをターゲットに売り込みを行った。ナサの安形勉代表取締役は「今回の見本市でマーケットがあることは分かったので、これから味の好みなどを分析して戦略を練りたい。税金や法規制が次の課題だ」と話した。
■ひとマチ点描■不双、伯市場規模にビックリ!
食の見本市「Fispal」で、不双インターナショナルのはす向かいに出展していたコーヒーフィルターメーカー「Supremo」には、何十種類もの商品 の展示が。「何であんなに多いのか」と不思議に思った不双の伊藤、安形両氏は最終日、将来のライバル社の偵察を試みた。
そんな二人の情報収集に快く応じたのはシドニー・レンスさん。当地のフィルターは基本的に紙製だが、同社は5回まで洗って再利用できるポリプロピレン製フィルター2種を販売しているという。
「パッケージの中身は同じ商品だよ。127社に委託販売しているからね。それでもうちのブラジル市場シェアは6%と多くはない」と意外に低い数値に二人は ビックリ。同社では一月3600万枚を製造しているので、年間4億3200万枚が市場の6%という計算になる。つまり、伯市場は年間72億万枚…と途方も ない規模だ。
安形さんは「日本は年間16億枚売れているから、これと同じくらい、もしくはこれ以上売れてもおかしくない」と逆に励みになったよう。
単身者でも自宅で気軽に飲めるドリップ式のコーヒーバッグ。当地にお目見えする日はそう遠くないかも。(阿)