【既報関連】サンパウロ州サントスに寄港した日本海上自衛隊の練習艦隊が停泊中の5~8日、艦内公開や日系社会との交流会など公式行事を行なった。6日夜には練習艦「しまゆき」で艦上レセプションが開催され、サンパウロなどから約200人の招待客が訪れた。同日朝には分散入港したリオから、中畑康樹司令官も駆けつけた。
サントスには練習艦「しまゆき」と護衛艦「やまぎり」の二隻が寄港した。6日午前に艦内を一般公開し、約千人が来場。昼には、日系諸団体などから代表者を招き昼食会も行なわれた。
午後はサントス日本人会を訪問し、乗組員約100人が現地日系人とも交流。午後7時すぎからは在聖総領事館との共催で、艦上レセプションが開かれた。サンパウロ市からも文協、県連などが用意したバスが会場のサントス港第28埠頭に向かい、約200人が参加した。
リオに分散入港した練習艦「かしま」の中畑司令官も、当日朝にサントスに到着し交流行事に臨んだ。レセプションは同氏の発声で乾杯。寿司や刺身などの日本食、ロブスターや貝柱といった魚介類を堪能しながら、日系人らとの交流を楽しんだ。
前日に県人会の昼食会に参加した、実習幹部の上田真央さん(26、熊本)と志村智美さん(26、同)は、「親切な方々ばかりで故郷に帰ったような気分。地元よりもおいしい辛子レンコンに感動した。故郷よりも故郷らしかった」と声を弾ませた。野尻俊輔さん(24、神奈川)も「日本語がこれほど通じる寄港地はこの国しかない。非常に励みになった」と語った。
実習幹部らを対象に、当地日系社会を題材に講演した中前隆博総領事は、「リオの海岸に行きたかったという思いもあるかもしれない。しかし国外最大の日系社会を通じ、日系人の熱い思いを感じてくれたはず」と笑顔を見せた。
やまぎりの橋本聖一艦長は、「26年前に実習幹部として寄港した。活発な日系社会を肌で感じた頃が懐かしい。再びこの地に戻ってこられて感無量」と語り、池田リュウゾウ陸軍少将らと親交を深めた。
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練習艦隊の艦上レセプションのため、関係者を乗せたバスは午後4時に文協を出発。道中は渋滞に巻き込まれ、市街地をさまよい、パトカーの先導で目的地付近まで案内されるも再び渋滞にはまり…。到着は3時間後の同7時過ぎだった。肝心の式典は鏡割りの直前で代表者挨拶も直接聞けず。インフラの悪さに、関係者もややグッタリしたよう。
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日本海自は調理訓練を受けた給養員が乗船しており、食事水準が高いことでも有名。長期航海中に曜日感覚を失うとして始まり、今も金曜日に食べるという名物「海軍カレー」も特別に提供された。調理責任者の西川昌昭さん(44、鹿児島)は「カレーはもちろんどの品も評判が良く、日系人らにも喜んでもらえた」と笑顔。絶品の海自料理に、移動の疲れも吹き飛んだ?