ホーム | 特集 | いらっしゃいませ、秋篠宮同妃両殿下=移民80年祭を振り返る=初公式外国訪問だった伯国

いらっしゃいませ、秋篠宮同妃両殿下=移民80年祭を振り返る=初公式外国訪問だった伯国

 秋篠宮同妃両殿下が28日から12日間にわたってブラジルをご訪問されるにあたり、最初のご来伯であった日本移民80年祭を振り返ってみた。礼宮さま(当時)は1988年6月14日から二週間来伯されるのに先立ち6月10日に東宮御所での記者会見に臨まれ、初の外国公式訪問に寄せる抱負などを語られた。礼宮さまは当時22歳、いくつかの国をすでに非公式に訪問されていたが、公式としてはブラジルご訪問が初めてだった。その後、ご成婚をへて内親王お二人、親王お一人も誕生され、今回27年ぶりにブラジルの地に来られる。

ブラジルへご到着

 6月14日午後、成田空港を発たれた殿下は、ロサンゼルスで一泊、16日午前6時半にリオ・デ・ジャネイロのガレオン空港に到着された。午前10時半ブラジル政府特別機でブラジリア空軍基地にご到着になり、ブラジル公式訪問の第一歩を印された。
 昼12時40分、外務省にご到着になりソドレー外相とご歓談。午後1時から外相主催昼食会にのぞまれた。
 午後5時半から大統領府でサルネイ大統領とご歓談になった後、大使主催レセプションにのぞまれた。当時22歳の殿下は、長旅と時差にもかかわらず非常に元気なご様子。公式訪問第1日のスケジュールを終えられて、「かねてより関心を持っていたブラジルを訪問することができ、嬉しく思います」などのご感想を述べられた。

聖市での熱烈歓迎

 殿下は17日昼12時20分、聖市のコンゴニアス空港にご到着になり、約3千人の日系人がご来聖を出迎えた。
 午後3時、殿下はイビラプエラ公園にある開拓先没者慰霊碑にご到着。碑の前まで歩まれ、花輪を供花されて深々と一礼された。つづいて、慰霊碑に隣接する日本館をご訪問になった。
 午後3時45分、毒へび、毒グモなどの収集と研究で名高いブタンタン研究所にご到着。動物に深い関心を抱いておられる殿下は、まず博物館内のヘビ、ワニ、サソリ、ハブなどをご覧になったのち、屋外のヘビ園に向かわれた。ここで、大きく身を乗り出し写真を撮られるなど、非常に興味深そうなご様子をみせた。
 午後5時すぎ、殿下は現ブラジル日本文化福祉協会の文化センターにご到着。殿下のご到着を歓迎しようと数千人が集まった。移民史料館では笠戸丸の模型、コロノ生活のビデオ、開拓小屋などを約40分にわたってご覧になった。
 特に開拓小屋に関心を示され、寝室入り口にかけられている天皇・皇后両陛下のご真影に目を止められると、「どこの家でもこうだったんですか」とご質問になられた。瀬尾正弘史料館運営委員長が「ええ、ほとんどの家でそうでした」と応えると、大きくうなずかれていた。

80年祭へご出席

 18日午前10時から日本移民80年祭は、殿下とサルネイ大統領ら日伯政府高官多数を迎え、聖市内のパカエンブー競技場で盛大に挙行された。会場には全伯から八万人に及ぶ日系代表が参加。殿下は日系人をいたわる言葉をのべられた。
 その後、「日伯友好病院」落成式のテープカット、サンパウロ動物園のご見学など、過密な日程をこなされた。
 同じくパラナ州でも日本移民80周年記念式典がローランジャ農業センターで開催された。19日午前11時、殿下をお迎えして、サルネイ大統領らが出席し、全パラナから6万余の日系州民が参列。広大な会場は日伯の小旗で埋まった。

リオ・デ・ジャネイロへ

 殿下は20日午後2時半、コルコバードに到着され、塚田千裕リオ総領事の案内でキリスト像、展望台、像の中の礼拝堂を見て回られた。
 続いて、アマゾンの熱帯植物の収集で有名な植物園をご訪問になった。生物に深い関心をお持ちの殿下は、大オニバスなど各種の熱帯植物を熱心にご覧になり、さかんに写真を撮られ、植物の名前をたずねてはメモを取られていた。そして、園内でパウ・ブラジルの木の記念植樹を行われた。

マナウスへ

1988年6月21日 念願とされていたマナウスにご到着、ニッコリ

1988年6月21日 念願とされていたマナウスにご到着、ニッコリ

 1998年6月21日午後1時25分、殿下は予定通りマナウス空港へご到着。マナウス市で一夜過ごされ、翌日午前8時半、リオ・ネグロ川とソリモンエス川の合流地点に近いセアザ港にお着きになった。
 35トンの船で出発された殿下は、時々写真を撮られた。途中、船が停められ、20分余り釣りを楽しまれた。
 その後、国立アマゾン研究所(INPA)へ。殿下が最も関心を示された淡水魚標本庫、ナマズ標本展示室では、喰い入るように標本づけのビンを見つめていく。3段構えの棚からビンを手に取られたり、生物学に興味のある殿下らしいうちこみようだった。
 同日午後2時半、殿下は日伯協会グランド内にある先没移住者慰霊碑にご供花された。そして、88年6月15日に落成したばかりの、日系人創設の「アマゾン自然科学博物館」に立ち寄られた。殿下が特に興味を示されたのは、ピラルクー、ツクナレ、チラピアなど。熱心に御質問され、水槽の淡水魚も目を凝らして眺められていた。
 この後、午後5時45分、ベレンへお発ちになった。翌日はベレン港を一望できるカステロ要塞を訪ねられ、港の市場やメルカードの古い建物など見学をされた。

全日程を終えられ御帰国

 24日の朝、リオにご到着になり、午後3時から市内ウルカ区のポン・デ・アスーカルをご訪問になった。
 ケーブルカーで頂上に移動後、展望を楽しまれ、また随員の人たちと一緒に記念写真をお撮りになった。
 その後、市内で民芸品などをお買い求めになり、午後8時から在リオ総領事主催の夕食会にのぞまれて、ブラジル滞在の全スケジュールを終えられた。そして、午後11時、ガレオン空港から帰国の途に着かれた。

初来伯のご感想を発表

日系社会へのメッセージ

 今回日本人ブラジル移住80年祭が各地で盛大に開催されたことに対し、心よりお祝い申し上げます。私が訪れた各地において、皆さんよりあたたかく歓迎して頂き深く感謝いたします。
 皆さんがブラジル社会の各分野においてご活躍されている姿を拝見し、大変嬉しく思いました。特に皆さんがブラジルの発展のため、多大なる貢献をしておられることにつき、大統領を始め多くのブラジル要人より聞き大変嬉しく思いました。
 皆さんの御多幸と一層の御活躍をお祈りいたします。また、80年記念式典と同じ日にサンパウロにおいて、日伯友好病院の開院式が催されたことをお祝い申し上げます。日系社会の皆さんにとって、同病院が末長く心の拠り所となりますようお祈りいたします。

アマゾン地域御訪問の御感想

 今回マナウス、べレンを訪れ、国立アマゾン研究所、アマゾン自然科学博物館、エミリオ・ゴエルジ博物館等を訪れるとともにアマゾン川を船で見る等、野生の動植物がたくさん生息しているアマゾン地域の大自然の一端にふれることができ、大変貴重な一時を過ごすことができました。
 特に魚類を始め多くの珍しいアマゾン地域の動植物を興味深く見ることができました。今回は公式訪問であったためゆっくりと見ることができませんでしたが、アマゾン地域で時間をかけて見る目的でいつの日か再び訪れることができればと思います。

写真グラフ

隣国パラグアイをご訪問=2006年、移住70周年で

 隣国パラグアイの日本人移住七十周年を祝い、秋篠宮さまが2006年11月1日にアスンシオンにご到着され、たくさんの同地在住の日本移民や日系人が歓迎のために駆けつけた。その晩は大統領を表敬し、その主催晩餐会に出席された。翌2日には同国の〃日本移民発祥の地〃ラ・コルメナ移住地や、アスンシオン日本人学校を視察され、夜には在留邦人・日系人による歓迎会に。3日は青年海外協力隊とのご懇談および活動、同市中央卸売市場、日本パラグアイ学院、ニホン・ガッコウなどを視察され、4日正午にはパラグアイを出発された。その時の本紙取材写真から、最近の秋篠宮殿下のご様子が伺えるものをグラフにしてみた。

image_print

こちらの記事もどうぞ