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会議の様子(提供写真)
会議の様子(提供写真)

ジャパンハウス=今年11月に仮オープンへ=電通「19年以降も継続を」=プレイベントは来月25日

 日本国外を拠点にした広報文化施設「ジャパン・ハウス(仮称)」(以下JH)の第2回運営委員会が20日午後、開設地であるパウリスタ大通り52番のビルで開催された。19日付けで詳報した事業体制の紹介や、ビル内の視察が行なわれたほか、11月までに仮オープンする見通しが明らかになった。2017年3月の開所を目指し、来月には概要発表会も行なわれる。

 運営委員である文協・呉屋春美会長、商工会議所・村田俊典会頭、ジョアン・ローダス元USP学長ほか、電通や戸田建設など事業主グループ関係者も出席した。事務局からは平田アンジェラ事務局長も参加し、事業体制の紹介も行なわれた。
 建物の概要や、一部取り壊しも始まっている内部を実際に視察して回った。3、4月から本格的な改修を始め、11月には仮オープン、来年3月に本格オープンする見通し。
 事業主である電通代表者は、「4年契約だが19年以降も継続、活躍できるよう取り組みたい」と企業グループを代表して決意表明。14年から非公式に関係企業間で会合を行ないながら、連携を深めてきたという。
 設計デザインを監修する隈研吾さんからも書面で意気込みが寄せられた。「協調・融和の精神などを描いたデザインを考えている」とコメントしている。
 会議後に委員長の中前隆博在聖総領事、平田事務局長が取材に応じた。
 平田さんはサンパウロ州マリリア生まれで、両親は石川県出身。「移住者子弟として、またビジネスの専門家として集大成となる事業にしたい」と意気込みを語り、「四季を大切にする心、共生を重視する人間性、震災からの発起心や強さ。文化やビジネスの側面を踏まえ、それらの理解を深めてもらいたい」と大まかな方向性を明かした。
 事業の具体化はまだ先だが、「日系人も誇りを持てるような建物にしなければ。非常に大きな責任を感じている」とも語り、「ロンドン、ロスとの3館連携も必要。世界の市場に日本の存在感を見せたい」と意気込んでいる。
 2月25日にはプレイベントとして概要発表会を予定。JH総合プロデューサーの原研哉、隈両氏の来伯が調整されている。


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 ジャパンハウスの平田アンジェラ事務局長は「コロニア人」というより、ブラジル人社会で活躍する「ブラジル人ビジネスマン」という印象が強い。とはいえ幼少期は漫画雑誌「少女クラブ」「少年クラブ」を読んで育ち、今でも「帰宅したらまずNHKをつける」というので、意外に根っこは「コロニア人」のよう。会見では「若い日系人にインパクトを与える」「移住子弟が原点回帰する機会にもしたい」などとコメント。HAVAIANASブームを起こした彼女の手腕に期待か。

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