ホーム | コラム | 樹海 | もう一つのカーニバル。真打「ウニードス・ダ・ラヴァ・ジャット」登場?

もう一つのカーニバル。真打「ウニードス・ダ・ラヴァ・ジャット」登場?

2014年3月1日、ポルト・アレグレのカーニバルの様子(Foto: Anselmo Cunha/PMPA)

2014年3月1日、ポルト・アレグレのカーニバルの様子(Foto: Anselmo Cunha/PMPA)

 5日早朝、パラナ州都クリチーバの連邦警察拘置所から二人が、近隣の刑務所に移送されるとのニュースが流れた。政治評論家は《つまり、新しく誰かを捕まえるために空きを作った。昨年の例を考えれば、近日中に次のラヴァ・ジャット作戦が展開されるかも》とコメントした▼前回の同作戦は、南聖海岸部の三層高級アパートを巡る贈収賄疑惑の証拠集めで、ルーラ前大統領に関係した案件の外堀を埋めた印象が強かった。同時にサンパウロ州アチバイア市の豪華別荘疑惑も噴出した。G1サイト2日付は、4年間に111回も家族で使用と報じた。12年には8回、13年は19回、14年は18回、15年には22回も利用した。1年は52週間だから2週間に一度に近い頻度だ▼「元大統領」には大統領府が費用を負担して護衛を派遣しており、その就労記録からエポカ誌が割り出した。111回の訪問で、護衛は283晩宿泊している。必ず複数の護衛が付くから延べで1400泊にもなる。ルーラ氏は4年間のうち、平均5日に1泊はそこで過ごした▼この別荘は、ラヴァ・ジャット作戦で社長を先頭に役員が逮捕されたオデブレヒト社が50万レアルを投じて改修した。サッカー場24個分の土地に、ルーラ夫人のマリーザ氏が自費でかったボートを浮かべる池やスポーツ施設も。4日付エスタード紙には、ルーラ氏は大統領引退時、自分の荷物の一部をアチバイアの別荘に運び込んだとも▼ルーラ前大統領の息子ファビオ氏の共同経営者が所有者とはいえ、それだけ利用していれば事実上〃ルーラ家〃のものに見えても不思議はない。別荘を持っている読者もいるだろうが、5日に1泊という高い頻度で使っているだろうか? 「自分の所有でもないのに、そんな豪華な別荘が、なぜそんなに自由に使えるの」―というのは庶民的すぎる疑問だろうか▼ルーラ氏の息子といえば、www.verdadeabsoluta.comに掲載されたルイス・クラウジオ氏に関する有名な〃噂話〃がある。カナダのサーカス団「シルコ・ド・ソレイユ」公演に、酔っ払った同息子らしき男性が二人の若い女性を連れてきて、「責任者を呼べ」と騒いた。自分が買った席でなく、もっと見晴らしの良い別の席に座りたいとごね、「誰がこの国を動かしているか知っているか、俺の親父だ。仲間がお前をボコボコにしてやる。お前が住んでいる所なんてすぐ分かる。俺を誰だと思っているんだ。お前を失業させることなんて簡単だ」と何度も繰り返して脅したという▼クリチーバ連邦警察の拘置所に空きができた5日朝、CBNラジオでは今年のマルシーニャ・コンクールの優勝作品を発表した。本欄でも以前紹介した「O japones da Federal」(連邦警察のジャポネース)で、得票率はなんと50%、2位の27%と圧倒的な差を開いた▼奇しくもカーニバル開始日。これをテーマ曲にして、サンバ・チーム「ウニードス・ダ・ラヴァ・ジャット」が登場し、コミッソン・デ・フレンチには石井ヒデノリ・ニュートン連警捜査官に登場してほしい。SBC市のマンションのドアを朝早く叩いて、石井氏が『お前にパラナ州への旅行が当たったぞ』と言ったら、指が1本欠けたヒゲ面の住人は『セニョールは間違ってる。俺はタダの労働者だ』と返す?! (深)

「O japones da Federal」(連邦警察のあのジャポネース)
https://www.nikkeyshimbun.jp/2015/151223-column.html

image_print