ホーム | ブラジル国内ニュース | サンターナ=ジウマ選挙年に収賄疑惑=スイス秘密口座に150万ドル=疑惑深まるズウィ容疑者=TSEでの材料は決定的か
22日のラヴァ・ジャット作戦より(Fernando Frazão/Agência Brasil)
22日のラヴァ・ジャット作戦より(Fernando Frazão/Agência Brasil)

サンターナ=ジウマ選挙年に収賄疑惑=スイス秘密口座に150万ドル=疑惑深まるズウィ容疑者=TSEでの材料は決定的か

 【既報関連】ラヴァ・ジャット(LJ)作戦第23弾で逮捕された労働者党(PT)の選挙参謀、ジョアン・サンターナ容疑者が、ジウマ大統領の選挙キャンペーンに携わった14年に、国外の秘密口座に150万ドルの送金を受けていたことが明らかになったと、24日付伯字紙が報じている。

 23日にドミニカから帰国後、夫人のモニカ・モウラ容疑者と共に逮捕されたサンターナ容疑者は、オデブレヒト社から300万ドル、ロビイストのズウィ・スコルニキ容疑者から450万ドルの賄賂を受けていたと報じられていた。
 連警と検察庁はズウィ容疑者からの送金は13年9月25日からはじまっていたとの情報を得ているが、そのうちの150万ドルは、14年7月10日、9月6日、11月4日の計3回、50万ドルずつ支払われているという。
 ズウィ容疑者からの金は、同容疑者のオフショアのディープ・シー・オイル会社の口座から、シティ・バンクのニューヨーク支店経由で、オフショアの「シェルビル・ファイナンス」の口座に送られた。シェルビルの口座はスイスのヘリテッジ銀行にあり、その受取人はサンターナ夫妻となっている。
 サンターナ容疑者や連邦政府側は、この金はジウマ氏の14年の大統領選に絡むものではないとの弁明を行っている。だが、連邦警察側は、この金はペトロブラスの公金を使った賄賂ではないかと疑っている。
 それは、ズウィ容疑者がシンガポールの造船業者ケッペル・フェルズのロビイストで、同社が2003~09年にペトロブラスと合計約40億ドルに及ぶ契約六つを結んでいるためだ。この期間はルーラ政権時ともかぶっている。
 ズウィ容疑者はペトロブラス(PB)元サービス部役員のパウロ・バルスコ被告の報奨付供述の中で「LJのオペレーターの中で最大規模の人物」と称されていた。また、同容疑者は既に、15年2月に敢行され、PB元サービス部長のレナト・ドゥケ被告が逮捕されたLJ第9弾でも家宅捜査を受け、48点に及ぶ美術作品を押収されている。今回の作戦ではクラシックカーなども押収された。
 民主社会党(PSDB)は現在、選挙高等裁判所(TSE)で審議中の14年大統領選の際のジウマ大統領の不正疑惑にこの件を加えるよう動いており、23日にはジウマール・メンデス副長官が、それを受け入れる可能性が強いことを示唆する発言も行っている。
 PSDBとしては、これを機に、下院で勢いをなくしつつあった大統領罷免審議の再活性化、3月13日実施予定の反政府マニフェスタソンに力を注ぎたいとしている。

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