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受賞者の皆さん
受賞者の皆さん

武本文学賞=『日系文学』誌50周年記念=授賞式に伯TV局取材も

 ブラジル日系文学会(武本憲二会長)が主催する第33回武本文学賞授賞式が20日午後、サンパウロ市の宮城県人会館で開催され、受賞者とその家族ら100人余りが参加した。今年、『ブラジル日系文学』誌が50周年を迎えたことから、歴代の編集者が表彰され、コロニア行事には珍しくTVクルトゥーラが取材に訪れるなど歴史を感じさせる式典となった。
 武本会長は開会のあいさつで、「創刊50周年の特別な年。143冊の雑誌といくつもの詩や小説の本を刊行してきた。50年前に、誰がこんなに続くと予想できたでしょう。この間、常に会計は火の車でしたが、会員一丸となって乗り越えてきました。次の世代に理想の炎を継承してほしい」と熱くのべた。
 現編集者の中田みちよさんは「歴代の編集者はいつも縁の下の力持ちで、感謝されたことがない。この機会にしっかりとお祝いしたい」とのべ、安良田済さん、伊那宏さん、遠藤勇さん、浜照夫さん、広川和子さんらに賞状が手渡された。さらに創立会員で、半世紀にわたり会費を納入してきた浦畑艶子さんも表彰された。中田さんは「陰から支えてくれた会員。このような存在があるから会は続いてこれた」と感謝の言葉をおくった。
 続いて受賞者28人が次々に壇上に上がり、表彰を受けた。【小説の部】入選=堀江渚、佳作=田口さくお、佳作=栗田舎人【随筆】入選=森原博、佳作=原田秀一、佳作=村上尚子【短歌】入選=水野昌之、佳作=富岡絹子、佳作=坂上美代栄【俳句】特選=青木駿浪、特選=浦野マルガリーダ、佳作=浦畑艶子、佳作=宮腰陽子、佳作=太田英子【翻訳】皆川ルイザ。
 【Contos】Prêmio Esp:Livia Petry Jahn, Menção Honrosa:Leonardo Boiko, Andreza Silva Pereira【Haicai】PE:Antonio Fabiano, Cristane Kovacs Cardoso, Elizabeth Krinski Beraldo【Poesia】PE:Edih Longo, MH:Olavo Ferreira de Mello Júnior, Rui Werneck de Capistrano【ポ語翻訳】PE:Leonardo Boiko, MH:Bruna Tiemi Ogawa, MH:Karen Kazue Kawana。遠くはブラジリアや南大河州から駆け付けた受賞者も。
 最後に受賞者を代表して堀江渚さん(本名=宮崎高子)は、「48年間現役の日本語教師です。夢中になって小説を書き始め、気が付いたら明け方になっていたことも度々。このような賞がいただけて大変嬉しい」とのべた。
 なお、授賞式の様子は26日夜9時からのジョルナル・ダ・クルトゥーラのニュースで放送予定。