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左が大村さん、右が森さん
左が大村さん、右が森さん

県連故郷巡り(北東伯編)=歴史の玉手箱=第1回=「ここにジャポネースあり!」

 ブラジル日本都道府県人会連合会(本橋幹久会長)が主催する第45回「移民の故郷巡り」一行149人は、3月10日から16日までセアラー州都フォルタレーザ、北大河州モソロー、同州都ナタルを観光し、現地日系人と交流した。「どこに移民の故郷が?」と首をかしげるほど日系人が少ない北東伯だったが、〃アマゾン下り〃のセアラー州の先駆移民・藤田十作の子孫、メロン栽培で有名なモソロー、入植者の大半が町に出てしまった戦後移住地ピウンなどを巡るなかで、一行は「ここにジャポネースあり!」との誇らしい気持ちを新たにした。加えて一行参加者を取材し、戦争前後の出来事を中心に、まるで〃歴史の玉手箱〃の様にキラキラと輝く貴重な逸話の数々を聞いて回った。

 記者が同行した第3グループは10日午後8時のGOL機で一路フォルタレーザへ、北北東へ約3100キロを一っ飛び。南米大陸が大西洋に最もせり出している地点のわずかに北だ。149人という大人数のため、一行は聖市からの飛行機、現地バスも三つに分かれて行動した。
 翌11日(金)から観光開始。現地ガイドは「セアラーは1885年に最初に奴隷解放をした州。4年間ほとんど雨が降っていない。首都の人口は300万人。ここは踊りフォホーで有名だし、有名なユーモリストが沢山生まれた州よ。例えばシッコ・アニジオ、レナート・アラゴン、ファルコン(歌手)、あと連邦議員になったチリリッカもそう」と早口に説明した。
 北東伯の半砂漠地帯カアチンガの55%は同州にあり、戦前にはカンガセイロ(匪賊)が大活躍した。午前中に訪れた市営手芸品市場には、民衆から義賊と親しまれたカンガセイロの首領ランピオンと妻マリア・ボニータの土産物人形がいたるところで散見された。
 目の細かい独特のセアラー織物(renda do Ceara)は人気が高く、一行女性には200、300レアルのテーブルクロスやワンピースを「安い、安い」と勝って行く姿も。スカートとテーブル掛けを買った大村順子さん(65、鹿児島県)は「一枚編むのに半年かかるって。サンパウロで買ったら高いのよ」と初日からの収穫を喜ぶ。ワンピースを買った森小百合さん(71、鹿児島県)も「偶然に店主が日系二世で日本語が達者だった。『負けて負けて』ってお願いしたらサービスしてくれたわ」とホクホク顔を浮かべた。
 州南部のジュアゼイロ・ド・ノルテは、地元では熱烈な信者が多いシセロ神父の本拠地だ。青年時代フォルタレーザで学んだ人物で、長年バチカンから反逆者扱いされ、昨年末にようやく聖人への筋道が認められたばかり。いわばセアラー州はブラジル史の主要な歴史舞台の一つだ。(つづく、深沢正雪記者)

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