ホーム | 日系社会ニュース | 健康体操開始から10周年=会場は超満員、震災募金も=健康維持や認知症防止に
体操を指導する松本指導部長と来賓ら
体操を指導する松本指導部長と来賓ら

健康体操開始から10周年=会場は超満員、震災募金も=健康維持や認知症防止に

 ブラジル健康表現体操協会(川添敏江会長)が創立10周年を迎え、15日午前9時半からサンパウロ市の文協ビル大講堂で記念祭を開催した。各支部会員とトゥクルビーなど日語校生徒60人を合わせ、約900人が参加。観客を含め1200人収容の会場は満員、立見も出た。下は5歳から上は97歳まで、「花は咲く」や「イペー音頭」など60種以上の体操を元気に披露した。

 全日本健康音楽研究会の川添博ブラジル支部長は開会式で、「皆さんは緊張していると思うが、その後の開放感が健康を増進する」と挨拶した。
 体操が始まり、来伯した同研究会の松本葉子指導部長が「愛のままで…」の歌とともに、赤いスカーフを使って舞うように踊り、盛大な拍手が贈られた。
 観客も立ち上がって、移民百周年のテーマ曲「海を渡って百周年」を全員で体操。続けて歌手の中平マリコさんが「ありがとう」をしっとりと歌い上げ、「夢の中へ」など多彩な曲で次々に体操が披露された。
 多くの参加者は舞台に上がるまで緊張していたが、体操を終えて席に戻ると達成感とともに大きな笑顔を見せていた。
 午前11時から式典にうつり、川添会長が「健康体操で体も心も頭も元気になりましょう」と挨拶した。来伯した同研究会の豊田英二理事長は、10年前に当地で健康体操が始まった経緯を振り返った。
 ブラジルで健康体操が開始した当初からの実践者を「11年勤続者」として表彰。また今年90歳以上となる高齢者11人も表彰された。松本指導部長が体操を指導し、来賓も一緒になって肩たたき運動を行なった。
 当日は熊本地震の義援金を入れる箱が設置され、昼食後、同県人会の田呂丸哲次会長が壇上に上がり、「協力してもらい大変感謝している。現地では今でも余震があり、いつ終わるか分からない」と述べた。
 午後は「きよしのズンドコ節」など人気曲での体操が多く、全63演目の最後は、中平さんが歌う「イペー音頭」とともに全員で盆体操を踊り、会場は口笛と歓声で満たされ幕を閉じた。当日はサンパウロ日伯援護協会への寄付として1キロの保存食が募られ、約千キロが集まった。
 高齢者表彰を受けた山田和枝さん(89、岡山)は「みんなの前で踊るのはどきどきしたが、言葉にならないほど嬉しい」と感想を話した。西村節子さん(72、二世)は「私たちのグループは初参加。とても緊張したが終わってほっとした」とすっきりした笑顔を浮かべた。


□関連コラム□大耳小耳

 コラム子も見よう見真似で健康体操を踊ったことがある。動き自体はゆっくりしており、高齢者にも無理のないもの。しかし踊りの順番を覚え、立ち位置を変えるなど、かなり頭を使う必要があり、認知症防止に役立つと感じた。人前で発表する機会も多いので、ただの運動より目的をもって取り組める。本紙の健康関連の記事にはよく問い合わせがある。健康維持に役立つ方法を求める人の多さが、わずか10年でこれだけ健康体操が広まった〃ヒミツ〃かも。

image_print