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伝統技能が満載の個展=造形作家・三梨さんが開催=7月までイビラプエラで

大きな土壁の船と、炭化されたバラが飾られた会場

大きな土壁の船と、炭化されたバラが飾られた会場

 日本の造形作家、三梨伸さんの個展「A Luz do Mundo onde ha Fronteiras~境界の一つの光~」が、聖市イビラプエラ公園内のアフロ・ブラジル美術館で開かれている。人類大移動やブラジルの歴史をテーマとし、日本の伝統技術を存分に用いた。
 広い会場の床には、一つ一つのデザインが異なる船が敷き詰められた。船によって、アフリカから南米に行き着いた移住者の歴史を表現。一つ3メートルもの巨大な作品は、日本独特の建築工法「土壁」を用い、見ごたえのある芸術品に仕上げた。
 壁や窓ガラスには、1万5千本もの炭化されたバラが散りばめられた。この作品には、植物を炭焼きさせる室町時代からの技法「花炭」を活用。2005年には聖市デコ画廊ではなずみ展を開催しており、三梨さんにとっても思い入れの強い伝統技術だ。
 オスカー・ニーマイヤーが設計した会場は、数多くの作品で彩られ圧倒的な景観が広がる。開会式は7日に行なわれ、訪れた来場者も「重みがあり力強いが、繊細さも感じる作品群。とても素晴らしい」と感嘆の声を上げていた。
 制作から2カ月、無事開幕を迎えた三梨さんは、「ブラジルで芸術品を作る喜びを得て、自分が一番満足いく形にした。作品を見て、皆さんなりのブラジルを感じてほしい」と呼びかけた。
 三梨さんは1960年、神奈川生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、91年のサンパウロ・ビエンナーレ出展を機に当地との交流を深める。日伯両国で開かれる展示会の運営・企画に多く携わり、12年には著名芸術家の故大竹富江さんとも合同展を開催した。
 個展は7月10日までの午前10時~午後5時で、毎週月曜日は休館。入場料は6レアルだが、土曜日は無料開放している。

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