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ジュカ以上、メガトン級の爆弾証言が次に

メガトン級の爆弾証言の鍵を握るザバスキ判事(Foto: Nelson Jr./SCO/STF, 23/02/2016)

メガトン級の爆弾証言の鍵を握るザバスキ判事(Foto: Nelson Jr./SCO/STF, 23/02/2016)

 暫定政権の中枢の一人、ロメロ・ジュカー企画大臣(PMDB)が、辞任する羽目に陥った。ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の進展に恐れをなしたトランスペトロ社のセルジオ・マッシャード元総裁が3月、ジュカー氏に相談する会話の中で、「この政権を替えないと流血は止まらない」との表現で、大統領罷免しかないと相談している内容だ▼これはフォーリャ・デ・サンパウロ紙23日付がすっぱぬいたもの。3月末にPMDBは与党を離脱しているから、その前後だ。この盗聴録音を聞く限り、「LJを止めるためには大統領を罷免してミッシェル(テーメルのこと)に挿げ替えるしかない。閣僚大改造のどさくさに紛れてLJを止める手を紛れ込ませる」という方法を考えていた。大統領罷免運動ではクーニャ下院議長とPMDBの党首ジュカが両輪となっていた。前者は当然のことだが、後者にも証拠が出てきたとなると、現与党の政治家の多くがそれを暗黙の了解にしている可能性がある▼同会話の中で「クーニャは死人同様。ミッシェルで大同団結するしかない」、次の政権は「アエシオに渡す」とまで明言している。3月の時点でここまで筋書きを作り実行してきたのであれば、これから「LJ阻止」を仕組むところという微妙なタイミングですっぱぬき記事が出てきたことになる▼この録音の出元は、マッシャードが司法取引供述を連邦検察庁に申し出ている一部が漏洩したようだ。ジョルナル・ド・ブラジル23日付によれば、この司法取引が承認されるかどうかは、テオリ・ザヴァスキ最高裁判事に握られている。その供述には、別の密会録音として、レナン・カリェイロ上院議長版、ジョゼ・サルネイ元大統領版の2種類があり、それらを聞き比べた関係者の証言として、同紙は『ジュカーのはたいしたことない内容』というコメントを紹介している。つまり、これからメガトン級の爆弾証言が飛び出す可能性が秘められている。これがどのようなタイミングで破裂するかは、すべて最高裁の判断による。今回の漏洩からは「ジウマ罷免という大きな流れは活かしながら、LJを弱体化させようという動きは封じる」という力が働いている感じがする▼今回の盗聴録音が行われたのは、最高裁が3月6日にジュカ上議への捜査を許可したすぐ後だ。もし、この内容が4月17日の下院での罷免投票の直前とか、上院での罷免審議開始を決める投票前なら、3分の2を上回らず、ジウマ大統領が一時停職しなかったかもしれない。PTがこれを機に大統領罷免の無効化を画策しているのも無理はない▼大統領罷免の両軸の一人、ジュカー氏に「罷免=LJ中断」の意図があることを、果たしてテーメル本人は知らなかったか。その機先を制するようなタイミングでこの記事が出たことは、ある意味、不思議ですらある▼本来、組閣をするとき、LJ作戦にひっかかっている人間は疎外すべきであったが実際にはかなり入っている。それは大統領罷免という〃大同団結〃をした時に、清濁併せのまないと全下議の3分の2に賛成票を入れさせることは不可能だったからだ。罷免の態勢が決まってからそのマイナス部分を、削ぎ落とそうとする動きに見えなくもない▼とはいえ、もう五輪は直前だし、国際的な評価もある。今回のジュカー辞任危機で、株価は0・79%下落、対レアルでドルは1・41%上昇、国のデフォルトの可能性を示すCDS5%も飛び上がって362・5ポイントになった。いまさら後戻りできないところまで来てしまっている。テーメルは、司法には一切手を出さず、粛々と財政立て直し政策を練ることに集中するしかないだろう。そうすれば〃当初の意図〃とは違っても、後の歴史家から本当の「救国政権」と呼ばれるかもしない。(深)

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