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泣き寝入りをしてはダメ

被告となったボウソナロ下議(Fábio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

被告となったボウソナロ下議(Fábio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 21日、サイト上に相反する裁判結果が報じられた▼一つは、ジャイール・ボウソナロ下議が14年にマリア・ド・ロザリオ下議に「お前なんか犯す価値もない」と本会議場で言い放ち、被告となった件だ。ボウソナロ下議は翌日も「あいつは醜いから犯す価値なぞない」と繰り返した。最高裁は「一連の発言は男性至上主義や強姦を黙認する社会的風潮を広めるもの」で「精神的な被害を与えた」との起訴内容を4対1で認めた▼問題発言は議員としての仕事とは関係ないため、有罪となれば最大6カ月の投獄と罰金を科せられる。ボウソナロ下議は「最高裁の判断は議員の不逮捕特権を侵すもの」と反論したが、同下議はブラジリア地裁からも同件で1万レの賠償金支払いを言い渡されている▼もう一方は、15年10月にサンパウロ市の地下鉄で痴漢に遭った女性が起こした損害賠償請求をサンパウロ市地裁が棄却した件だ。地裁判事は「被害者は事件回避のための努力を怠った」と判断したが、満員で身動きも取れない地下鉄内で痴漢に遭った女性が公然と「痴漢」と叫ぶのは勇気がいる。同種の事件では、本人は言葉さえ出せず、もじもじし始めて周りが気づく例も少なくない▼車両内にいた地下鉄職員は「様子がおかしいと気づいたが、本人が助けを求めなかったから行動をとらなかった」と供述。地裁判事はそれを採択した形だが、事件当時は「男性が性器を女性に押し当てていたのを見た」「女性の服も汚れていた」との証言があったのに、それすら覆ったとあれば何をか言わん。届けがあった件だけで11分に1人が強姦される国。被害者や社会が本気で声を上げなければ実態は変わらないと思わされた。(み)

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