半年前に迎えた中南米大陸初の祭典。1位はやはり、リオでのオリンピック・パラリンピックだ。開幕前から工事遅延、治安、ジカ熱と不安が高まる報道が目立った。大統領弾劾が重なるような混迷期だったが、邦人被害を含め大きな事件、事故もなく無事に閉幕。ブラジル特有のホスピタリティで成功に導いた。
競技では移民が競技を普及、強化させた柔道と卓球を中心に、日系人も10人以上がブラジル代表に名を連ねた。中でも遠泳の沖本ポリアナ、体操のアルトゥール・オヤカワ・マリアーノ両選手が銅メダルを獲得。柔道の石井千秋・ヴァニア親子など、元代表選手らも聖火ランナーとして大会を盛り上げた。またそのトーチとマスコットをデザインしたのも日系人だった。
リオ現地では、マラソンの街頭応援などで代表選手を後押しした。「当地に暮らす者として大会を成功させたい」。そんな思いを込めて日系人らが声援を送った。オリ・パラの移行期間中に行なわれた日本祭りも盛況だった。
サンパウロ市でも応援観戦会が開かれた。また在外公館と日系諸団体による邦人受入れ組織を立ち上げ、サンタクルス病院は自費で医師らを派遣するなど、日本からの観戦者受け入れに尽力した。
リオ五輪の次は東京だ。日本政府も広報施設「トーキョー2020ジャパンハウス」をリオ市内に開設し、次期五輪のPRに努めた。五輪閉会式には人気ゲームのキャラクター、マリオに扮した安倍晋三首相が話題をさらい、あでやかな着物姿の小池百合子都知事が五輪旗を引き継いだ。