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移民110周年、ついに聖州でも始動=実行委員長に菊地さん就任=次に繋がる110周年に

実行委員長に選出された菊地義治さん

実行委員長に選出された菊地義治さん

 いよいよ聖州も移民110周年で始動――6カ月近くに及んで移民110周年実行委員会の実行委員長選出に難航した末に、先月31日に開催された主要日系五団体による会合で、実行委員長としてサンパウロ援護協会の元会長の菊地義治さん(76、岩手県)が就任することが決定した。来週以降、実行委員会が正式に発足する見通しだ。

 実行委員長の候補として飯星ワルテル連邦下議など諸々の名が上がるなか、最終候補として浮上したのが菊地さんだった。3期6年援協会長を務め、昨年末に任期満了で勇退した。公益社会福祉法人としての認可維持のため組織改変を迫られるなど、転換機を迎えた援協の経営安定に貢献した。その誠実な人柄と手腕が買われた格好だ。
 ブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長は、「仕事を抱える人や、組織で要職に就いている人では委員長として動けず、そのため選出が難航した」とした上で、「全会一致で(菊地さんに)決まった。一世によって運営されるのは、これが最後になるかもしれない」と期待を寄せた。
 就任が確定した菊地さんは「これが最後の大仕事になる。準備を進めていく中で、色々反対もあるだろうが、逆境を跳ね返してやっていきたい」と意気込んだ。
 就任にあたっては式典を日本祭会場で実施することや、110周年を東京五輪に繋げるといった指針を提示した。5団体内でも日本祭で式典という線で概ね合意されているという。「百年祭は式典こそ盛大に行われたが、日本からの関心も低く何も残らなかった」と振り返り、「式典だけでは終わらない、次に繋がることをしなければ」と考えている。
 その柱の一つが「日本側の目を開くこと」だという。県連主催の日本祭の会場に皇室をお招きして式典を企画することで、日本側からの関心を高め、両国の文化経済交流の糸口とする方針だ。
 日本祭りはすでに、海外では世界最大級の日本をテーマにしたイベントだが、この機会にさらに拡大発展させたいという。各都道府県の「観光」をもっと重視し、「物産販売」などの新規性を取り入れ、観光立国を目指す日本の後押しをする。2020年の東京五輪はまさにその延長線上にあり、波紋を呼ぶレールパス問題の見直しにも繋げていきたい意向だ。
 もう一つの柱が次世代育成だ。「パラナ州の西森ルイス下議のように聖州に地盤を置く日系議員を育てていきたい」と語り、「活動しやすいような環境づくりを整え補佐していくことが我々の役目だ」と語る。
 ノロエステやパウリスタで皇室御訪問への待望が高まっていることを受け、「今まで訪問されたところでなく、日本移民の原点となる地方を優先させたい」と語り、「それこそが聖州の日系政治家の地盤を強化することに繋がる」と見ている。
 「日本ともっと繋がっていかなければ、県人会も日系社会も活性化していかない。それは日本のためでもあり、日系社会の強化は伯国のレベルアップにつながるはず」と力強く語った。
 南米産業開発青年隊として戦後移住した菊地さんは、「これが最後の大仕事」と移民110周年に心血を注ぐ構えだ。


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 110周年実行委員長としての使命感を語った菊地氏。かつて岩手県人会会長を務めただけに、皇室の方に世界最大級で、活気溢れる県連日本祭りを見て頂きたいとの思いがある。第1回県連日本祭りは移民90年周年を祝して始められたもので、当時は県連第一副会長を務めていた。「これは何かの因縁かもしれない」としみじみ。県連会議では、活性化の必要性が叫ばれながらも、なかなか有効な具体策を打ち出せずにいた。日本祭りは県人会にとって結束を深める最大の機会。そこを日本側にきちんと知ってもらい、母県との関係をますます強化することが、県人会の活性化に繋がるはずだ。110年式典は、ぜひとも日本祭りの会場で実施して欲しいところだ。

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