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移民109周年について=ブラジル日本文化福祉協会会長 呉屋春美

呉屋会長

呉屋会長

 日本移民がブラジルに移り渡り、今年で109周年を迎えます。今日の日系社会が存在するのは私共の先輩方のご苦労の賜物であります。開拓先没者の御霊に対して心より哀悼と感謝の意を表します。
 1908年6月18日に笠戸丸が第一回農業移民781人と自由渡航者10人を乗せてサントス港に到着しました。
 それ以降、年を追って渡伯された方々は、まったく異なった気候や風土のブラジルの地において、行く手を阻む原始林に分け入り、過酷な自然との戦い、疫病と戦い、幾多の困難と戦いながら、ブラジルの地に日系人社会の基礎を築かれました。
 日系社会の先輩方は長いブラジル移民史の厳しい道のりを、唯ひたすらに一生懸命に歩んで来られました。日本人の「勤勉さ」「信用ができる」という評価を築き上げてこられたお陰により、現在、私共はブラジルの地におきまして胸を張って生きていくことができます。
 現在の日系社会は確実に世代交代が進んでおり、三世、四世が活躍する時代となっております。農業分野のみならず、商業、工業、政治経済の分野等での幅広い分野に進出しており、ブラジル発展に大きく貢献しております。
 今年もブラジルの政治経済は大変困難な状況が続いておりますが、そんな時であるからこそ、日系社会全体で手を取り合い今まで以上に協力し、よりよい未来を作り上げていく必要があるのではないでしょうか。
 来年はブラジル日本移民110周年であり、日系社会にとって意義のある年であります。2008年の移民100周年の際には、日系社会のみなさまを始め、ブラジル政府やブラジル国民のみなさまの多大なるご協力の下、大成功を収めることができました。
 今年は三都市で計画されたジャパン・ハウスの第一号がサンパウロ市にオープンし、ブラジルでの日本文化の更なる活性化が期待されます。
 2020年には東京五輪が控えておりますので、本国で開催されたリオデジャネイロ五輪の経験を踏まえ、これからもブラジル一般社会の方々と一緒に、更に日系社会に貢献するべく、私共はみなさまと共に最も意義深く大切な記念事業を大成功に導くため、一生懸命に準備する所存でございます。
 最後になりましたが、日系社会の皆様、ニッケイ新聞をご愛読の皆様のご健勝と祈念し、ブラジル日本移民109周年にあたる、私の挨拶とさせていただきます。

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