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サンパウロ市=建設許可発行過程で違反?=告発の局長がなぜか更迭

 サンパウロ市内の建設工事の環境への影響を精査し、建設許可を発行する過程で不正行為があるとの疑いで、同市緑化・環境保護局(SVMA)が調査を行ったところ、計26人の職員が解雇または異動処分となったと23日付現地紙が報じた。
 調査を主導したジウベルト・ナタリーニ局長は、なぜか、18日付でジョアン・ドリア、サンパウロ市長にその職を解かれた。
 ナタリーニ氏が8月3日付でサンパウロ市法務局監督部(CGM)に送った調査報告書には、「建設許可の発行過程で、SVMA職員が許容しがたいミスを犯していた」と記されている。同報告書には、建設許可発行手続きが特定企業を優先して行われていた事や、必要な支払いがなくても許可書を発行していた事、建設許可発行を求めて同局職員を脅迫していた企業がある事など、調査で発覚した違法行為が列挙されている。
 SVMAは、建設許可を取得するのに必要な税金の支払済み証明書(アビタ・セ)取得に不可欠の環境誓約状(TCA)発行を行う部署だ。
 ナタリーニ氏は局長就任後、建設許可を得るための申請者の列が2重であるなどの不正行為に気づき、発行手続きを基準化した。だが、これにより、TCA取得に時間がかかるようになり、不満を募らせた、サンパウロ市商用住宅不動産売買賃貸管理業者組合(Secovi)などの建設関連団体や住宅権利者が、7月21日にアンデルソン・ポミーニ法務局長に改善を求める書簡を送った。
 ナタリーニ氏は同局内の不正告発のために8月3日に監督部に提出した文書に同書簡も添付している。報告書を見て調査を始めた監督部長も17日に解任されているが、ドリア市長は22日、ナタリーニ氏解任後も同件の調査は続くと述べた。
 SVMA局長職を解任されたナタリーニ氏は、23日付で緑の党(PV)所属のサンパウロ市市議に戻った。

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