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野口在聖総領事が着任=「日系社会との連携強化に追い風」=110周年控え期待大きく

熱い歓迎を受けた野口総領事(左から3番目)

熱い歓迎を受けた野口総領事(左から3番目)

本紙を訪れた野口総領事

本紙を訪れた野口総領事

 在聖総領事館に総領事として13日に着任した野口泰氏(51、山口)は、17日に本紙を訪れ、日系社会の世代継承への側面支援や在日ブラジル人社会の課題解決等を強調し、日系社会との更なる連携強化に向けて熱い思いを語った。

 野口氏は京都大学法学部卒業後、90年に外務省入省。在ペルー日本国大使館、中南米局南米カリブ課等を経て、前職は宮崎県警察本部長を務めていた。

 外務省出身者では稀という県警で勤めた野口氏は「宮崎県は人口減少、高齢化の最前線。交番駐在所を全て回ったが、何処へ行っても聞くのが『近隣の小学校が廃校になった』という類の話ばかり。地方再生は大変だ」と痛感したという。

 赴任前には在日ブラジル人集住地域である群馬県大泉町、静岡県浜松市、愛知県名古屋市、豊明市等を視察。「空前の人手不足で、地域経済に重要な貢献をしている。だが、子弟教育などの課題も。その解決に出来る限り支援していきたい」とした。

 また、今年5月に外務大臣に提出された中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会報告書について触れ、「これまで十分議論がなされてこなかった点も盛り込まれている」と評価。中前前総領事に引継ぎ、日系社会の世代交代の側面支援にも意欲を見せた。

 同日午後7時半からは、日系34団体共催による歓迎祝賀会がサンパウロ市文協内貴賓室で行われた。

 翌年に移民110周年を控えるなか着任した野口総領事の歓迎会とあって、およそ200人が出席するなど注目の高さが伺えた。

 代表して挨拶に立った呉屋春美文協会長は「初対面であるにも関らず、大きな期待を抱いている」と語り、110周年式典の皇室ご臨席への期待や国士舘再開発事業や文協文化ホール完成について言及。「将来の日系社会の基盤となる遺産を築いていく」と誓った。

 野口総領事は「世界最大の日系社会のあるサンパウロに着任できたことは誇り。移住110周年の成功に向けて職務に全うしてゆく」と力強く応え、「日系人支援と連携強化について、大変有り難い追い風が吹いている。皆様と一緒に好ましい状況を後押しし、誠心誠意、努力を重ねてゆきたい」と意気込んだ。

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