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《ブラジル》南米初、10段を取得=柔道家の篠原正夫さん=77年の精進に赤帯

喜びを語る篠原さん

喜びを語る篠原さん

 「柔道を始めてから77年、家族や友人、関わった全ての人にお礼が言いたい。ムイト、ムイト・オブリガード」――柔道家の篠原正夫さん(92、二世)がそう感謝を述べると、会場から大きな拍手が贈られた。ブラジル柔道連盟(シルビオ・アカシオ・ボルジェス会長)が17日夜、1篠原さんに10段を授ける昇段式をサンパウロ市内ビラ・モルゼ区のビラ・ソニア柔道協会で行った。会場となった道場には門下生や関係者ら約200人がお祝いに駆けつけた。

 柔道着の門下生が見守る中、篠原さんの経歴が式典で紹介された。その後パウリスタ柔道連盟のアレッサンドレ・プグリア会長、ボルジェス・ブラジル柔道連盟会長が祝いの言葉を述べた。
 続いて会場中央の赤じゅうたんの上を3人の門下生が免許状と赤帯を持って進み、ボルジェス会長に免許状、プグリア会長に赤帯を渡した。両会長から免許状と赤帯が篠原さんに手渡され、息子の準一さん(63、三世)が父の腰に赤帯を締めた。赤帯は9段以上に授与される特別なもの。
 篠原さんが感謝を述べると、五輪メダリストのアウレリオ・ミゲルさんによる乾杯の音頭で懇親の場となった。門下生らは早速、篠原さんを囲み、祝いの言葉をかけ記念撮影に興じた。
 リオ五輪に代表選手として出場した知花チャールズさん(28、三世)は「篠原先生は、メダリストも育てたブラジル柔道界の貢献者。ブラジルの柔道界にとってもめでたいことだと思う」と語った。
 篠原さんの昇段を提案したボルジェス会長は自身も篠原さんの指導を受けたことに触れ、「現在では私も指導者の立場。今でも篠原先生の教えをもとに指導に当たっている」と微笑んだ。
 篠原さんは「夢にも思わなかったこと」と昇段を喜び、「今日までやってこられたのは皆さんのおかげ。これからも子供達に自分が学んだことを伝えたい」と今後の指導にも意欲を見せた。
 篠原さんは1924年12月、アルバレス・マッシャード市生まれ。40年にエンブー・ダス・アルテス市に移り住み、日語教師に勧められ柔道を始めた。1960年サンパウロ市ヴィラ・ソニア区に道場を開いた。
 ブラジル柔道連盟で1981年から2008年までの長年にわたり、代表選手を含めた指導を行い、その間、アウレリオ・ミゲル、カルロス・オノラット、恩村ルイスなどの五輪メダリストを輩出した。84年のロス五輪などでは代表監督も務めた。


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 「伯国初」どころか「南米初」と言われた篠原正夫さんの十段取得。ちなみに、日本の講道館から十段を受けとったのは日本で15人だそう。また、米国では2011年に故福田敬子さんが同国での柔道普及活動を認められ米国柔道連盟により十段に昇段した。父を継いでブラジル代表監督にもなった篠原準一さん。師匠でもある父の昇段について、「『正しい柔道をして欲しい』と願い、指導していた父が認められた」と喜んだ。昨年のリオ五輪に出場した知花選手も子供の頃に篠原さんの指導を受けたことがあるそう。「東京五輪ではメダルを取りたい」と意気込んだ知花さん。篠原さんの教え子や孫弟子の活躍に期待!?

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