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リオ州=軍がスラム住民を撮影、照合=「軍政時代のやり方」との非難も

身分証と顔が写るようにファヴェーラの住民の写真を撮る兵士(24日付フォーリャ紙より)

身分証と顔が写るようにファヴェーラの住民の写真を撮る兵士(24日付フォーリャ紙より)

 リオ市西部のスラム街(ファヴェーラ)ヴィラ・ケネディ(VK)とコレイア、ヴィラ・アリアンサで23日、軍が住民たちの顔と身分証明書の写真を撮り、前科がないかなどを調べる活動を行ったと、24日付現地各紙が報じた。同日未明からの作戦には、兵士と軍警、市警合わせて3200人が動員された。
 リオ州公選弁護人事務所(DP―RJ)は、この行為を軍政下の1964―85年に行われた、市民に対し違法に屈辱を与えるものと同様だと非難した。住民たちも不安の色を隠せず、「このやり方はない。住民全員が容疑者だとでも言うのか」との声を上げた。
 軍の行動は、VKの軍警平和維持駐留部隊(UPP)副指揮官、ギリェルメ・ダ・クルス軍警中尉が強盗犯に殺害されてから2日後の事だった。さらに前日も、リオ市西部のカンポ・グランデで、陸軍のブルーノ・カズーカ曹長が強盗犯に殺害された。
 「兵士は自分の携帯電話を使っていた。ちゃんとしたデータバンクに使われるかは疑問」と住民は語る。
 DP―RJ人権保護本部のダニエル・ロゾヤ氏は、「透明性がなくてはいけない。写真はどこへ送られるのか?」とし、今回の行動の意図を軍に確認する意向を表明。ブラジル弁護士会リオ州支部も「憲法の保障する人権を大きく侵害する行為だ」との声明を出した。
 軍は反論し、「普通に行われていること。写真は照合終了後、リオ市警のシステムに送られ、消去される」とカルロス・シネッリ大佐は語った。この行為は、昨年8月制定の治安保障法で認められている。
 VK住民は、兵士たちが午後6時に立ち去ると、午後8時頃には地域を支配する犯罪集団が自由に動き回っていたとして、「軍のやったことなんて何の意味もない。先週の大雨や嵐でここ一帯は酷い目に遭ったのに、それを助けてくれるどころか、戦車やライフルが来た」と語っている。

リオと隣接する州の境界線警備も強化

 また、リオ州と接するサンパウロ州、ミナス州、エスピリト・サント(ES)州は22日、リオ州との境界の警備を強化する事を発表した。各州は、リオ州でIFが発令された事で、犯罪組織が活動拠点を変更して入ってくる事を防ごうとしている。
 22日には、ES州とリオ州の境、ならびにリオ州とミナス州の境界線の一部(計200キロ)で、陸と空からの見回り強化が始まった。
 また、同じ22日にはサンパウロ州公共保安局で、トルクアット・ジャルジン法相と3州の治安系局長が出席の会合が行われ、リオ州への武器や麻薬の流れを断つため、州警察の助けも得て、連邦道路警察管轄下のフェルナン・ジアス高速道とヅットラ街道の警備を強化する事も発表された。

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