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いつ、何があってもよい備え

 19日午後、友人が亡くなったとの知らせを出先で受け取った。友人が手術後も集中治療室にいると聞き、皆で回復を願った事や独り残された母親の事を思い、目の前が真っ暗になった▼自分より若い人が亡くなった時は特に複雑な気持ちになるが、いつも真摯で明るい女性があっという間に亡くなり、葬儀には大勢の人が参列した。小柄なお母さんがより小さく見えたのは、錯覚ではあるまい。残念なのは、大掛かりな手術になるほど重症化する前に、彼女の病気が発見できなかった事。不注意といえばそれまでだが、人の命の儚さを痛感する出来事に、何も手がつかなくなった知り合いも多かったようだ▼だが、予期せぬ出来事は枚挙に暇がない事は、最近の事件を思い起こしても明らかだ。洪水や火災、橋落下などで、様々な夢を描いていた人々の命が奪われ、大勢の人が家族や財産を失った。自分自身、予想だにしていなかった爆弾を抱えている事がわかり、我が身を持て余してぎみの昨今だが、そんな中、「いつまでも残るのは蓄えたものではなく、与えたもの」との言葉が蘇る。前述の友人の葬儀に多くの人が集ったのも、彼女やその母親が周りの人々に尽くし、与え続けてきた証だろう▼一方、彼女の果たしてきた役割を誰が担うかも気にかかる。日本にいた時、「骨を埋めるつもり」であると同時に、「いつでも引けるよう」にと考えながら仕事をしていた事を思い出す。12歳で母を亡くした身にとって、独り立ちは必須だったのに、子育てや後進育成、身辺整理さえ中途半端なまま、ぬるま湯の中にいる。友人の死を契機に、「その時に備えよ」との叫び声が心中でこだまし始めた。(み)

 

 

 

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