サンパウロ州検察局が、大統領選候補のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)や、ルーラ元大統領の代替候補と目されるフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)を収賄などの容疑で起訴した。また、リオでは、同じく大統領候補ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)の息子フラヴィオ氏の上院選キャンペーンに参加した軍警2人が先週、軍警の汚職の捜査で逮捕されていたことがわかった。5日付現地紙、サイトが報じている。
サンパウロ州検察局は5日、2014年のサンパウロ州知事選の際にオデブレヒト社から780万レアルの賄賂を受け取ったとしてアウキミン氏を起訴、政治活動停止と3900万レアルの差し押さえを求めた。
検察局によると、アウキミン氏は2014年のはじめに、同氏のキャンペーンの財政担当だったマルコス・モンテイロ氏と共にサンパウロ市西部ブタンタンのノルベルト・オデブレヒト社(オデブレヒトグループの建設会社)で会合を行い、当時の額で1千万レアルの献金の支払を求めたという。実際に支払われたのは780万レアルだった。
アウキミン氏側は声明を出し、「これは以前から報じられていることではあるが、証拠もないでたらめだ」と嫌疑を否定している。
政治活動差し止めに関しては高等選挙裁判所の判断となる。選挙運動は当面、通常通り行われる。
また前日の4日、サンパウロ州検察局はUTCエンジェニャリア社のリカルド・ペッソア氏を介して260万レアルの収賄、資金洗浄、組織的犯罪形成の三つの罪状でハダジ氏を起訴した。
ハダジ氏の弁護士らは「選挙の時期に、証拠もないにも関わらず、サンパウロ州検察局から3件で起訴されるとは大変な驚きだ」と発言している。
ハダジ氏は、ルーラ元大統領の大統領選出馬登録が高等選挙裁判所から無効と判断された後、代替候補となると目されているが、登録差し替え直前の起訴となる。だが、出馬には支障がない。
また、リオでは、先週行われた同州検察局の捜査「クアルト・エレメントス作戦」で、ジャイール・ボルソナロ氏の息子で上院議員選に出馬しているフラヴィオ氏のキャンペーンに参加している双子の軍警、アラン・ロドリゲス、アレックス・ロドリゲス両容疑者が逮捕されていたことがわかった。両容疑者は、リオ市内の賭博や不正車販売者、ブローカーといった闇業者から金銭をゆすっていた容疑を持たれている。
フラヴィオ氏は事件との関わりを否定している。だが、両容疑者とフラヴィオ氏、ジャイール氏が共に写った写真は流出しており、フラヴィオ氏がSNSを通じ、この2人以外にも、同作戦で逮捕された他の軍警3人と親しく会話している様子も目撃されている。