ホーム | 日系社会ニュース | 大志万学院25周年に1千人=君津市慶祝団、父兄やOBら=飯星下議「私の原点はここ」

大志万学院25周年に1千人=君津市慶祝団、父兄やOBら=飯星下議「私の原点はここ」

卒業生らと記念撮影(手前中央左が真由美校長、右が永実副校長)

卒業生らと記念撮影(手前中央左が真由美校長、右が永実副校長)

 「一人一人の個性を伸ばす私たちの教育を信じてくれてありがとう。もうダメだと何度も天を仰いだけど、その度に助けがやって来た。25年間続けて来られたのは、皆さんのおかげ」―大志万学院の川村真由美校長は9月29日晩、聖市南部のクルベ・ヘブライカの講堂で行われた四半世紀を祝う記念式典で、涙を浮かべながらそう心情を吐露した。当日は日本からの慶祝団15人に加え、父兄や卒業生ら約1千人が集まり節目の日を盛大に祝った。

真由美校長(右)と永実副校長(左から2人目)に蘭を贈った真倫子さん(左)

真由美校長(右)と永実副校長(左から2人目)に蘭を贈った真倫子さん(左)

 日本語・日本文化を必修科目としながら、聖市内の熾烈極まる受験競争のなかで存在感を発揮し、優秀な卒業生を18期240人も輩出してきた。1952年に創立された日本語学校「松柏学園」を基盤として、アクリマソン区の賃貸校舎で小さく始まり、04年に新校舎に移転して以来、生徒数が急速に増加して今では400人となり、今年2月からは更に新築して使い始めた。
 斉藤永実副校長は「大変な戦いの日々でした。でも、私たちには『諦める』という選択肢はありませんでした。どんな困難に陥っても、生徒の笑顔を見ていると解決の糸口が浮びました。卒業生が私たちのトロフィーです」と開幕のあいさつをした。

勤続25年を迎えた教師陣の皆さん

勤続25年を迎えた教師陣の皆さん

 野口泰在聖総領事が、日本文化を広める同校の教育方針を高く評価する挨拶をしたの続き、姉妹校交流を45年も続ける千葉県の市立小櫃小中学校がある君津市の鴇田剛市議がマイクを握り、「この交流行事は永遠に続くと信じている。その気持ちを伝えるためにきた」と熱く語った。
 松柏学園の卒業生代表として飯星ワルテル連邦下議が、「16歳の時、訪日研修に行き、貴重な日本体験をさせてもらった。今の私の価値判断の原点は、あの時の体験にある。この卒業生であることを心の底から誇りに思う」と感謝した。
 父兄代表の大沼潤さんは「大志万で学んだことは、子供たちの永遠の宝になる。与えてくれた教育に厚く感謝をしたい」と語り、記念の絵画を学校に贈った。

松柏大志万合唱団

松柏大志万合唱団

 日本語学校を創立してブラジル式小中学校に大きく舵を切った川村真倫子さんは、校名の由来となった恩師・国士舘大学の大志万準治教授の座右の銘『地球は一つ、宇宙は一つ』を紹介し、「だから、みんなで力を合わせていかなければならない。そんな先生の教えを広めるために、校名に頂こうと決心した」と語った。
 さらに「世の中は不思議な縁で繋がっています。日本に資金協力のお願いに行って、泊まるホテル代がないくらい困った時、玉井顕治さんに出会って土地代を寄付してもらった。その後、倫理研究所から校舎建設費を協力して頂いた。全てご縁」と手を合わせた。真倫子さんは真由美校長(娘)と、永実副校長に立派な蘭の鉢植えをプレゼントし、「学校を作っても続ける人がいなければダメ。二人に引き渡せてホッとした」と胸をなで下ろした。
 勤続25年の教師陣に花束と記念メダルが贈られ、真倫子先生と共に約30年間も日本語教師をしてきた上田きよこさんに花束が渡され、最後に松柏大志万合唱団が日本語、英語、ポ語、仏語で曲を披露、来場者は豪華な晩餐に舌鼓をうった。

1千人が詰めかけた豪華なヘブライカ講堂の様子

1千人が詰めかけた豪華なヘブライカ講堂の様子


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 大志万学院の川村真由美校長は挨拶の中では、次のような驚くべき話を披露した。資金難で首が回らなかった初期のころ、同校の教育方針に賛同してくれたある生徒の父兄は、ポンと60万レアル(約1760万円)を貸してくれたそうだ。しかも、なんの担保も取らず、借用書すら作らなかったとか。「本当にありがたかった。絶体絶命かと思われたとき、突然このような支援が現れる。そのおかげで今まで続いてきた。そのお金は14年がかりで、一昨年返し終えたばかり」とのこと。教育で日本文化を広めたいという志に賛同する縁の下の力持ちは、またまだ健在のようだ。

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