在ブラジル中国大使館外交官のク・ユフイ氏が25日、「大統領候補ジャイール・ボルソナロ氏の中国に対する認識には、両国間の共同戦略に対する誤解が混ざっている」と発言したと、26日付ブラジル国内紙が報じた。
ボルソナロ候補は今月9日にTVインタビューで、「発電部門の公社株は中国資本に売らない。彼らはブラジルを買い漁っている」と発言していた。
ク氏は、来月上海で開かれる第1回国際中国輸入博覧会に関する記者会見において、「私たちは中国とブラジルの両国関係を強化する意志のある政治家なら、誰とでも対話を行う用意がある。新政権が発足したら、現政権と方針を変える事は承知の上だ。中国とブラジル双方に適応の時間が必要になる」と語った。
ボウロナロ候補が今年の初めに台湾を訪問した事に関して問われたク氏は、「台湾問題は中国政府、国民にとって極めて繊細な問題。中国の主権に関わる」とした。中国は台湾を自国領土の一部と主張している。
ク氏は、ボルソナロ氏が台湾を訪問した事は決して好ましいことではないが、大統領に当選した場合に深刻な問題となるとは考えておらず、「ブラジルの新政権がこれまでの協力関係を踏襲し、両国民の利益が保たれる事を望む」と語った。
ボルソナロ候補の協力者、米国コロンビア大学のマルコス・トロイ教授は、「台湾訪問は大事にはならない。ブラジルが部門限定で、国外資本参入規制を行っても、中国側の理解は得られるだろう」と語る。ブラジル国際センター所属で、ブラジル・中国問題研究院の所長を務めるアナ・ジャグアリベ氏も、「ボルソナロ候補、ハダジ候補どちらが当選しても、中国との関係を大きく変化させようとはしないだろう」とした。
11月の輸入博覧会に3閣僚が上海詣で
ク氏がPRした第1回国際中国輸入博覧会(CIIE2018)は、11月5日から10日まで上海で開催される。これは「輸入」に特化した見本市だ。「中国は今後5年間で10兆ドル分の外国製品を輸入する用意」と、在ブラジル中国大使館通商局長のシャ・シャオリン氏は語っている。
ブラジルはCIIE2018に官民から大使節団を送りこむ。輸出振興庁(Apex)は87企業を引き連れ、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)や農牧供給省も、多くの企業と共に参加する。
閣僚陣からも、アロイジオ・ヌネス外相、マルコス・ジョルジ産業貿易サービス相、ブライロ・マッジ農牧供給相の3人が上海入りという力の入りようだ。
マルコス・ジョルジ産業貿易サービス相は、「この機会は、ブラジル製品をPRし、中国市場を開拓していくためにとても重要だ。ブラジルにとっての成功を確信している」と語っている。