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大失敗?! 四世受入れ制度=目標4千人なのに、まだ数人…=(下)=「制度設計の早期見直しを」

ブラジルの旅券(Foto: Pedro Franca/Agencia Senado)

ブラジルの旅券(Foto: Pedro Franca/Agencia Senado)

 聖市文協ビル内のCIATE(国外就労情報援護センター)で訪日就労を希望する日系人の相談を受けている永井康之専務理事は、日系四世受入れ制度について、「そもそもの制度設計がずれている」と一言。
 「文化を学ぶためなら言語能力や5年という期間も必要ないし、入国後の就労見込みを示さなくても良いはず。働くためなら年齢制限や家族帯同不可という規則をどうにかするべき」と制度設計の矛盾点を突いた。
 「日本に対する理解関心を深めると言いながら、制度の主旨がクリアになっていない」との印象だという。
 同制度施行開始後、同センターでは日系四世に対し、雇用先の案内やN5程度の日本語能力獲得を目的とした日本語授業、日系四世受入れサポーターを見つけるために公益財団法人「海外日系人協会」への案内などを行っている。
 同協会は受入れサポーターを探す日系四世と、サポーターの橋渡しを行なっており、同サイト内で両者の登録も受け付けている。11月中に法務省サイトでその説明が公開された。
 同制度の難点とされたサポーターが見つけやすくなったものの、永井さんは「サポーター数は多くないと考えている。また、サポーターを見つけてもN4程度の日語能力で躓く人が多く、家族帯同不可の点で諦める人もいるのでは。制度を利用するのは来年7月までで100人程度と予測している」と語った。
 訪日希望者が日本語能力を測るのに使うことが多いJ―Testにおいて、全4回の受験者数は100人程度。その中でもN4程度のレベルに達する人は少ないと予想している。
 また永井さんは、制度設計者側の思惑について「過去のデカセギ問題再発を避けるため、バラバラの意見が混ざってしまった結果では。日本で働いた元デカセギが日本文化を持ち込んだ例はあるが、労働を目的にした結果、文化を持ち帰ったもの。日系四世制度でははその点が入り混じってしまっている」と語った。
 同制度では滞在期間延長のために茶道や剣道などの日本文化を学ぶことが必要とされている。だが、「例えば生計維持のために8時間工場で労働したとして、その後、日本文化を学ぶことは本当に可能でしょうか」と疑問を投げかけた。
 永井さんは同制度の利用を希望する日系四世について「日本在住を望む人」「就労を望んでいる人」がいると説明し、「さらに四世ともなれば外国人と考えられがちだが、すでに日本で過ごした人もいる。その上で『戻りたい』と希望している人に、5年間という期間を設けることや家族帯同不可というのはかわいそうなこと。早い段階で制度改定をする必要があるのでは」と訴えた。
 当初の目標どおり来年3月末までに4千人を目指すのであれば、「早い段階での制度改定」は必須のようだ。(終わり、國分雪月記者)

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