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様々な違いは豊かさの源泉

 25日夜、フランシスコ法王がクリスマスメッセージの中で、国籍や文化、宗教、人種、思想などの違いを超えた友愛を説き、「我々が持つ違いは欠陥や危険の源ではなく、豊かさの源泉だ」と語ったとのニュースを聞いた。法王は、愛がなければ、どんなに優れた計画やプロジェクトも、空虚で魂のこもらないものになりうると説き、ベネズエラやニカラグアでの危機を嘆いたともいう▼この報道を聞いた時、23日付のポルトガル語の新聞が、10月の大統領選での対立がクリスマスの祝いの雰囲気も壊した例を報じていたのを思い出した。米国在住で、母親を満足させるために一時帰国した青年が、対立候補に投票した親戚と顔を合わせるのを恐れている話や、父母と共に母方の祖母を訪問するつもりだったが、同じ理由で諦めた学生など、具体例が出ていた▼決選投票直後に死傷者も出た事や棄権や無効票が3割を超えたといった報道から思えば、ジャイール・ボウソナロ氏(社会自由党)支援者とフェルナンド・ハダジ氏(労働者党)支援者との諍いが今も尾を引いているのはわからなくはない。「政党なき学校」という政策に賛否両論がある事もまた然り▼決選投票前後に言論統制や思想統制とも取れる出来事が起きた時も思ったが、言論の自由や異なった思想を持つ権利は全国民に保障されるべきだし、国籍、人種、文化の違いが豊かさを生んだ例が米国やブラジルだ。違いを否定し、自分と同質でない人を拒否すれば、そのような豊かさを生む芽をつむ事になる。ボウソナロ氏は「全国民の大統領になる」と語った。今一度、様々な違いを認め、他者を受け入れる事から、新年の歩みが始まる事を願いたい。(み)

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