ボルソナロ新大統領が思春期を送ったサンパウロ州南部エルドラド市を、昨年10月に初めて訪れた。レジストロからリベイラ川を上流にさかのぼった地点にあり、大昔には金採掘で潤ったところだ。「黄金郷」を意味する名前にその歴史の残滓が残っている。
今では、有名な鍾乳洞「悪魔の洞窟」(Caverna do Diabo)以外に見るものがない人口1万5千人の小さな田舎町だ。今もそこに新大統領の女兄弟と母が住んでいるという。あのような山奥の田舎町だからこそ、イタリア系子孫に時々見られる「貧乏で敬虔なカトリック白人」、あの素朴な性格が育まれたのだろう。