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聖南西=日本語教師が充実の研修=感極まり涙する参加者も=独自の工夫、アイデア凝らす

記念の集合写真

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 聖南西教育研究会(渡辺久洋会長)による教師合同研修会が先月21日から23日まで、コロニア・ピニャール青年図書館宿舎で行われた。聖南西地区の日本語学校8校の教師17人に加え、マリリア日本語学校からも参加した。この研修会は、教師同士が日本語教育の情報収集と教育技術の向上を図るほか、親睦を深めることが目的だ。

 21日午前9時、コロニア・ピニャール文化体育協会の西川修二会長、同地モデル校の広瀬ペドロ運営委員長が挨拶で激励し、開講した。
 国際交流基金の上級専門家、久野元氏による「教材『まるごと』を使った日本語教育」から講義が始まり、午後は『アイデア紹介』として各教師が約5分で学校活動のアイデアを紹介。授業や、副教材、幼児教育、工作、ゲーム等のアイデアが発表され、充実した内容を書きとめる参加者の姿もみられた。
 2日目はピラール・ド・スール日本語学校の森ちはる教諭が「工作」を担当。どの学校も母の日や敬老会で渡すプレゼントのアイデア探しに苦労するが、この工作は例年そのまま使えるものが多く好評だという。
 次に4人のベテランの教諭に話を聞く「グループ懇談会」が行われた。サンミゲル・アルカンジョの志方倫子教諭、イビウーナの有村正子教諭、レジストロの吉田千鶴子教諭、カッポン・ボニートの上村千代子教諭が教師になったきっかけ等を発表。生徒の親から感謝されたこと、子どもが日本語を話せるようになったこと等、印象深い思い出を語った。参加者の中には「私の地区には一世の先生がいないので、滅多にない機会だった」と発言し、コロニアの日本語教師ならではの教師像を学んだ。
 3日目の最後に、渡辺久洋教諭による「児童にしどうしていること・できること」の講義が行われた。渡辺教諭は「改善」の意識の重要性を強調し、新しい知識や教授法、活動ばかりに目を向けず、普段行っている活動を少し工夫することでも大きな学習効果が得られると語った。
 参加者らは「緊張感を感じずリラックスできる研修会だった」、「先生達とは定期的によく会っているが、ゆっくり話す時間がないので、夜の懇親会の時間などで情報交換したりして楽しく交流できたことがとてもよかった」と口をそろえ、充実した研修会だったことがうかがえた。
 久野氏は「他の地区の研修会では外部から講師の先生を呼ぶところがほとんどだが、ここでは『アイデア紹介』の時間で全教師が発表するのを始め、講義の多くを現地教師自身で行っていて素晴らしい。現地の教育事情を一番よく知っているその地区の教師達が講義をして互いに学び合うというのがあるべき形」と研修会のやり方に感心し、評価していた。
 閉会式では参加者全員から感想の発表があり、「参加する前は、『休みなのになんで研修なんかしないといけないの』と思っていたが、楽しかったし今は参加して本当によかったと思う」など元気に笑顔で答えていき、中には感極まって涙ぐむ姿も見られ、参加者皆にとって充実した時間だったことがうかがえた。
 渡辺会長は、「何事も楽しくないと長く続かない。今年も地区のほとんどの教師が参加し、毎年休むことなくずっと研修会に参加し続けてくれている。どこの地区もそれぞれに個性がありいいところだが、年齢や世代、国籍など様々な背景をもつ教師達がその違いに関係なく誰とでも楽しく仲良く話ができ、お互いを思いやり全員が1つとなっているところが、きっとこの地区が持つ最大の強みなのだろう」と感じたと語った。


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 聖南西の教師合同研修会の中では、地区の全教師がそれぞれの活動を紹介したものを1冊にまとめ年に1度刊行する『アイデア集』が展示してあった。これは教師が自身の活動を振り返り、整理し改善していくとともに、他の教師にも活動の参考にしてもらい、その年の地区や教師の活動の記録の一つとしての役目を担っている。これについて上級専門家の久野元氏は、「このような刊行物も他の地区ではやっていない非常に素晴らしいもの。他の地区でもぜひ取り入れてほしい」と勧めた。お互いの良い点を、どんどん取入れてみては!

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