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奉祝、天皇陛下ご在位30周年=コロニアから感謝の声!

憩の園をご訪問された両陛下(天皇・皇后両陛下ブラジル御訪問 p117)

憩の園をご訪問された両陛下(天皇・皇后両陛下ブラジル御訪問 p117)

 24日、天皇陛下ご在位30年記念式典が、東京都の国立劇場で催される。陛下は4月30日にご退位され、平成の御代もいよいよ幕引きとなる。天皇皇后両陛下は皇太子時代の1967年、78年、ご即位後の97年の計3回に及んでブラジルを訪問された。移住者と子弟にずっと心を寄せられ、デカセギブーム以降は、日本国内に還流する日系ブラジル人の生活をも案じ、その幸せを願ってこられた。両陛下に拝謁したコロニア関係者の経験から、両陛下と日系社会との絆を振り返るとともに、ご在位30周年奉祝に寄せてコロニアから感謝の声を集めた。


移民史料館=ご退位の日にあわせて再開館=「両陛下に感謝の意を表したい」

改装工事が進められる7階部分

改装工事が進められる7階部分

 「両陛下に感謝の意を表し、平成から新しい御世の変わり目に、新時代を彷彿とさせる近代的な移民史料館をオープンさせたい」――ブラジル日本移民史料館の山下玲子リジア副委員長は、こう強い意気込みを語る。
 史料館は、78年6月18日の移民の日に皇太子同妃両殿下(当時)のご臨席のもとで開館。移民百周年の08年には、当時進められていたアーカイブ・プロジェクトに対して御下賜金が下賜され、両陛下に温かく見守られながら発展してきた経緯がある。
 退位される4月30日に合わせてオープンすべく7階の改装工事が急ピッチで進められ、9階ではご在位30年特別展として、これまでの両陛下のブラジルご訪問を写真パネルで展示する予定だ。
 山下副委員長は「日本から遥々ブラジルまで三度も足を運んで下さったことは大変重みのあること。両陛下への感謝を表すとともに、次世代に移民の歴史を伝えるべく素晴らしい史料館にしていきたい」といきごんだ。

国外で唯一、両陛下の肖像画=話題を呼んだ67年初来伯

天皇皇后両陛下の肖像画の前で、新年に弥栄を祈る日系団体関係者

天皇皇后両陛下の肖像画の前で、新年に弥栄を祈る日系団体関係者

 史料館9階には、両陛下の肖像画が奉掲されている。これは宮永岳彦画伯が宮内庁に特別許可をもらい74年に描かれたもので、国外では唯一と言われる。67年に初来伯され、南十字星国家勲章を首から下げられた若かりし頃の凛とした陛下が描かれている。
 当時、日伯租税条約が調印され、日本からの投資が過熱していた時代。敗戦から復興を遂げ、急成長を遂げた東亜の一等国から訪れた、若く気品溢れるプリンス、プリンセスは、ブラジル社会でも大きな話題を呼んだ。
 弊紙前身のパウリスタ新聞は《コロニア史上最良の日》と見出しで大々的に報じた。コンゴニャス空港から滞在されたオットン・パレル・ホテルまでの沿道13キロ沿いは、約30万人で蹲ったという熱狂ぶりだった。

山下さん

山下さん

 8万人以上が殺到したパカエンブー競技場での歓迎式典に、当時、高校生コーラスで参加していた山下副委員長は、「老移民が感涙しながら君が代を斉唱していたあの日の感激は忘れられない。両国が経済的に急成長し、移民社会が発展途上にあった重要な時期において、凛とした当時の両殿下のお姿は、移民にとっては祖国日本に大きな誇りを感じさせる大変な出来事だった」と懐かしんだ。


□関連コラム□大耳小耳

 08年の日本移民百年の際、ブラジル御訪問をされなかった両陛下は、代わりに群馬県太田市及び大泉町をご訪問になり、工場や小学校で日系人に会われた。昨年末の天皇誕生日の記者会見に際しては、《日系の人たちが各国で助けを受けながら、それぞれの社会の一員として活躍していることに思いを致しつつ、各国から我が国に来て仕事をする人々を、社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています》とのお気持ちを表明された。その一カ月前には浜松市の外国人学習支援センターを私的にご訪問され、日本語を学ぶ外国人に優しく励ましの言葉をかけられている。国策として送り出された日本移民の労苦を思いやるがゆえに、来日する日系人にまで温かい眼差しを向けられる陛下。こうした心遣いは日系子弟にとっては有り難い限りだ。

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