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サンパウロ市名物映画館=ベラス・アルテスに二度目の閉鎖の危機=スポンサー企業の降板で

 サンパウロの繁華街、パウリスタ大通りとコンソラソン街の角にある、市内有数の名物映画館「ベラス・アルテス」が2度目の閉鎖の危機を迎えている。
 ベラス・アルテスは1943年に「シネ・リッツ」としてオープンし、5年後に「シネ・トリアノン」と改名。67年に「シネ・ベラス・アルテス」の名となった。
 1982年には火災に遭ったが、83年には、米国などと競っていたフランスの有名映画配給会社「ゴーモン・ベラス・アルテス」が経営権を得て、フランスやイタリアなど、ヨーロッパで評判となった映画を提供。質の高い映画を上映する専門の映画館として、映画マニアから一目置かれる存在となった。
 また、同館は他の映画館が行わない、「人気映画の例外的長期上映」を行うことでも知られ、人気作故に1年半上映した作品もあったほどだ。
 だが、90年代に入ると人気に陰りが見られ、一時的に閉鎖の憂き目を見た。2004年に映画監督のアンドレ・ストゥルム氏(後のサンパウロ文化局長)が陣頭指揮をとってHSBC銀行をスポンサーにつけるなどして延命をはかったが、2011年にスポンサーシップを失い、ビルの賃貸料が払えず閉鎖した。このときは、多くのサンパウロの映画ファンが閉鎖に反対した。
 だが2014年5月、ベラス・アルテスはサンパウロ市と連邦貯蓄銀行の協賛を得る形で新装開店。「映画マニアの行く映画館」の座は、比較的近くにあるレゼルヴァ・クウツラルやイタウ・シネマ・アウグスタには一歩譲りつつも、それでもこだわりのセレクションや他の映画館で上映の終わった評判の映画を公開し続けるなどして、好評を博していた。
 だが、この1月、連邦貯蓄銀行は3月いっぱいでスポンサーを降りることを発表した。
 皮肉にもそれは、前述のストゥルム氏がサンパウロ市の文化局長を辞任し、「文化への支出削減」を公約に掲げていたボウソナロ大統領の治世の開始とも重なってしまった。
 ビルの賃貸料は1カ月で200万レアル近く、これをまかなえるスポンサーが出てこないと、ベラス・アルテスの今後も危うい。(1月28日付サンパウロ市公式サイトならびに26日付フォーリャ紙より)

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