ホーム | コラム | オーリャ! | 反応が大胆な映画鑑賞者

反応が大胆な映画鑑賞者

 来伯して1か月、先日初めて映画館に行った。「世界最大の日系社会があるのだから、日本語の吹き替えや字幕がついた映画が上映されているのでは」と期待して探したが見つからなかった。
 仕方なくポ語字幕がついたアメリカ映画を選び、チケット窓口では携帯の翻訳アプリを使ってやり取りして、どうにか買った。
 詳細は分からないが素晴らしい映画だった。だがそれよりも観客のダイナミックな反応に驚いた。登場人物のジョークに大きな笑い声が起こり、主人公の窮地に仲間が助けに来ると、歓声と拍手が巻き起こる。
 スポーツの試合を生で観ているようだった。日本なら「映画に集中できない」と周りから苦情が出るかもしれない。だが、感動の場面で周囲も同じように感じているのが分かると、共感が深まり、1人で観る以上に心を動かされたように思えた。
 日本では周囲の邪魔にならないように笑い声を抑え、ひっそりと観ていた。だが、それがなんだか恥ずかしくなった。(大)

image_print