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アサイ市=伝統の農産品評会盛大に=盆踊り、花火、音楽ライブも=祭りダンスに非日系も乱舞

盆踊りの様子

盆踊りの様子

 パラナ州のアサイ文化連合会(中川武宣会長)は「第76回農産品評会」を7~9日、パラナ州アサイ市のトヨサブロウ・イケダ・イベントセンターにて開催した。同市近郊の農家が栽培した農産品の展示、盆踊りや打ち上げ花火、音楽デュオCONRADO&ALEKSANDROによるライブなどが催され、多くの人々で賑わった。木村元・在クリチーバ総領事、パラナ日伯文化連合会の鈴木エドアルド会長、西森ルイス連邦下議らも参加した。

 終戦直後から開催されている伝統の農産品評会には、今年も約50農家が約2千の野菜や果物を出品した。大きさや見た目の良いものには「一等賞」や「褒賞」といった札が付された。3日目には主催者と品評会の受賞者らで慰労会が行われ、受賞者には肥料や日用品などが授与された。
 開会式は2日目の午後7時半頃から行われ、式中には打ち上げ花火が華やかに空を彩り、来場者からは大きな歓声が上がった。
 開会式の前には盆踊りが行われ、パラナ州内の日系団体から約10団体、約250人が団体ごとに色とりどりの法被を身にまとい、楽曲と和太鼓の演奏に合わせてしなやかな振り付けを披露。開会式後には祭りダンスも行われ、日本のJ―POPに合わせ、非日系人の若者も多数混じってキレのある舞いを見せた。
 午後11時半頃からは特設ステージで音楽デュオによるライブが開催され、多くの観客が曲に合わせて手を振り踊って一体となって盛り上がり、夜遅くまで会場は熱気に包まれた。

出品された農産物

出品された農産物

 アサイ市元市長だが、飲食物販売ブースで焼きそばと焼き飯の調理を普通に手伝っていた福田美法さん(67、四世)は、ペラペラの日本語で「昔から来ているが毎回楽しい。最近は外からも団体が参加して盛り上がっている」と楽しそうに語った。
 ヨシ・カツトシさん(79、二世)は盆踊りに参加するために約50キロメートル離れたアプラカナ市から来たという。「踊りの練習を毎週やってきたので、成果を披露できて気持ち良かった」と満足げに話し、同じく武田広さん(72、二世)も、「久しぶりに踊ったがすぐに振り付けを思い出せた。本当に楽しかった」とヨシさんと嬉しそうにビールを含んだ。


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会場近くの旭城

会場近くの旭城

 7~9日にパラナ州アサイ市で開催された「第76回農産品評会」の会場すぐ近くには、ブラジル唯一の日本式城「旭城」がそびえ立っている。昨年5月に開城し約1年が経つが、現在でも平日には30人、休日には70人程が訪れるとか。城は4階建てで石垣も含めた高さは約25メートル。4階は事務室となっていて入れないが、3階にはブラジル日本移民の祖・水野龍の資料が展示されている。また窓からはアサイ市を一望できる。日本の城と比べると細部のデザインがかなり質素だが、今では街のシンボル。近年日本では歴史や城巡りが流行しているとか。ぜひ日本からの観光客も「ブラジルの日本式城」を訪れてみては?

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