ホーム | 特集 | 日本移民の日2019年 | 【日本移民の日2019】サッカー南米一=コパ・アメリカ座談会=100年を超す伝統の大会=日本の浮沈は新星久保次第

【日本移民の日2019】サッカー南米一=コパ・アメリカ座談会=100年を超す伝統の大会=日本の浮沈は新星久保次第

17年に行われた親善試合でセレソンと戦った日本代表(Lucas Figueiredo/CBF)

17年に行われた親善試合でセレソンと戦った日本代表(Lucas Figueiredo/CBF)

世界最古の大陸別選手権、コパ・アメリカ

【井戸】ここから少し趣向を変えて、コパ・アメリカの歴史を紹介していきます。ところでコパ・アメリカって何回目かご存知でしたか?
【沢田】いや。
【井戸】1916年に始まったコパ・アメリカは今年で46回目なんです。欧州選手権は1960年開始で、まだ15回しか行われていません。4年おきの開催をしっかり守る欧州とは違って、コパ・アメリカは大会の間隔がまちまちだったため、46回目になってしまいました。
【沢田】2015年にチリでやったと思ったら、2016年にも米国で、南北アメリカ大陸合同の大会をやったりもしたよね。来年も、コロンビアとアルゼンチン共同開催でやるんじゃないかとの噂もでているね。選手たちも大変だ。
【井戸】これまで最も多く優勝しているのは、ウルグアイ(15回)で、2位に14回のアルゼンチン、伯国は8回で3位です。
【沢田】伯国が最後に優勝したのは2007年。1993年から26年も優勝から遠のいているアルゼンチンよりはましとも言えるけど、アルゼンチンをみて安心するより、優勝を目指さないとね。

日本代表、なるかW杯の雪辱?

【井戸】1999年以来、20年ぶりに招待出場する日本の紹介も忘れてはいけません。ただ、今回大きな問題が…。
【沢田】アジアサッカー連盟(AFC)所属の日本には、コパ・アメリカに選手を強制的に出場させる権限が無いんだよね。
【井戸】去年のロシアW杯後に発足した、森保JAPANの主力の多くが来ていません。堂安、南野、大迫、吉田、長友らがいてくれれば、もっと強力だったんですけど。出場を断ったのは、選手と言うより、所属クラブでした。
【沢田】Jリーグチームからも、「Jリーグは中断できないから、あまり多く連れて行かないで」との声が出た。
【井戸】だから「来年の東京五輪のチームの強化が目的」との大義名分を考え、「Jリーグからは22歳以下の選手に限定する」「一つのチームから大勢呼ばない」と約束したので、代表初選出が13人も出てしまいました。
【沢田】これまでも招待国が、年齢制限付きのメンバーを送った例もあるけど、少し残念だな。
【井戸】そんな中でも、注目されるのが、FC東京所属のMF久保建英(18)ですね。
【沢田】彼は10歳だった2011年に世界的名門のFCバルセロナの育成チームに入団したんだ。そこで順調にトレーニングを続けていたんだけど、後になって「18歳未満の選手は国外チームへ移籍禁止」と、国際サッカー連盟が決めて、帰国しなくてはならなくなったんだ。15歳からJリーグに出ていたみたいだけど今やFC東京の主力。
【井戸】18歳になったばかりの彼は、FC東京でレギュラーを張り、チームを首位(6月7日時点)に押し上げています。
【沢田】そんな若さで、本気の南米チームと戦うなんて夢があるね。今大会は彼の活躍に期待だ。もう1人挙げるなら、数少ない、森保JAPANの主力の中で所属チームが参加を認めた中島翔哉(24・アル・ドゥハイル)もだね。大会前の親善試合では完全にチームの中心だった。

日本のグループCは強敵ぞろい

【井戸】日本はグループCに入り、初戦でチリ(17日、聖市モルンビ競技場)と、2戦目でウルグアイ(20日、ポルト・アレグレ)と、3戦目でエクアドル(24日、ベロオリゾンテ)と戦います。
【沢田】前回大会優勝チリは、主力の高齢化が激しいし、去年のロシアW杯の出場も逃してから、戦力アップされた形跡が見られない。
【井戸】未だにヴィダル(FCバルセロナ)とサンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)頼みですね。
【沢田】この大会はグループリーグで4チーム中3位でも3分の2の確率で決勝トーナメントに行けるんだ。3試合で1勝1分1敗でも十分に可能性がある。

日本と初戦で対戦する、前回大会の王者チリ代表(Flickr)

日本と初戦で対戦する、前回大会の王者チリ代表(Flickr)

【井戸】チリとエクアドルからなんとか勝ち点をもぎとれれば8強入りも可能です。
【沢田】ただ今回は、いろんな事情で、経験の少ない若手ばかりだってことまで、日系人の方々は詳しくない。
【井戸】1勝も出来なかったら、「14年W杯と一緒か。情けない」と言われてしまいますね。なんとか1勝、出来れば決勝トーナメント行きを勝ちとってほしいです。
【沢田】失うものの無い日本は、初戦に全精力を注ぐべきだよ。初戦の結果次第で勢いが全く違ってくる。
【井戸】最終エクアドル戦もチャンスですね。ロシアW杯予選で出場権をとれなくって、その後もぱっとしません。
【沢田】さっきのセレソン展望でもとりあげたウルグアイは、3カ国の中では最強だね。日本は昨年勝っているけど…。
【井戸】その試合のメンバーは柴崎と中島しかいません。試合会場は、ウルグアイからも近い南大河州。ウルグアイ人が相当チケット買っていて、既に地元警察も警戒しているとか。
【沢田】大量のウルグアイ人に取り囲まれての試合かぁ。怖そうだね…。

同じアジアから、カタールも参戦

【井戸】さて、これまで語ってこなかったけど、注目している国として、僕はカタールをあげたいです。失礼ながら、「カタールはオイルマネー目当てで呼んだだけ」と思っていましたが、今年初めのアジアカップ、なんとカタールは日本を決勝で3対1で破って優勝しているんです。
【沢田】カタール代表は、国内リーグ2強のアル・ドゥハイルと、アル・サッドのほぼ連合軍。両チームはクラブチームのアジアの大会で上位に残っている強豪だし、期待は出来るよ。
【井戸】カタールは組み合わせがキツイんです。グループBには、アルゼンチン、コロンビア、パラグアイ。ただ、再三言いますが、この大会は、グループ4チーム中3位になっても3分の2の確率で、8強入りですのでがんばって欲しいです。
【沢田】カタールだけ8強入りして、日本がそれを逃したりして。
【井戸】それだけはご勘弁を…。

最後は伯国、アルゼンチン、ウルグアイの争いか?

日本と2戦目で対戦する、最多優勝回数を誇るウルグアイ代表(Flickr)

日本と2戦目で対戦する、最多優勝回数を誇るウルグアイ代表(Flickr)

【沢田】さて、大会を総合的に展望すると、やはりアルゼンチンは気になるね。攻撃陣にタレントがそろっていて、メッシまでいるのに、国際大会優勝に届かないままに、もう強い世代も賞味期限切れが迫っている。
【井戸】メッシだって、コパ・アメリカさえも優勝せずに代表のキャリアを終われないと思っているはずです。
【沢田】伯国、アルゼンチン、ウルグアイがグループリーグを1位で通過して、その後も順調に勝ちあがれば、アルゼンチンとウルグアイは準決勝で激突。
【井戸】勝ったほうが決勝で伯国と対決になれば盛り上がりますね。
【沢田】本当だね。これが出ている頃にはもう大会も開幕しているけど、読者の皆さんにも楽しんで欲しいね。
【井戸】我々も是非、楽しみましょう。「ニッポン! ニッポン!」ってね。

image_print

こちらの記事もどうぞ