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【日本移民の日2019】サッカー南米一=コパ・アメリカ座談会=本命はブラジルかウルグアイか?=100年を超す伝統の大会

ネイマール離脱後のチームを引っ張るコウチーニョ(Lucas Figueiredo/CBF)

ネイマール離脱後のチームを引っ張るコウチーニョ(Lucas Figueiredo/CBF)

 14日から、サッカーの南米一を決めるコパ・アメリカが伯国内で開催されている。今年は日本もゲスト国として参加するなど、日系社会的にも特に注目される大会だ。3年後に控えるW杯への良い景気づけにするべく伯国代表(セレソン)や日本代表の健闘を祈りたいところだが、今大会の展望を、井戸規光生、沢田太陽両記者が分析する。

高齢選手の目立つセレソン

【井戸】コパ・アメリカがはじまるわけですけど、まずセレソンはいかがですか?
【沢田】僕だけが言ってるわけじゃないけど(笑)、やっぱりフェルナンジーニョの選出は納得できないな。
【井戸】W杯で2度イメージ悪くて、昨年のW杯後に召集されていませんでしたからねえ。
【沢田】いくら所属(マンチェスター・シティ)で結果を出していると言っても大舞台に弱いのは実証済で、33歳でしょ。なぜ欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)で優勝したチーム(リバプール)のボランチのレギュラー、ファビーニョが入らないのかと。
【井戸】これは誰もが驚いた落選ですよね。あと、もう一つ不満として多かったのがルーカス(トッテナム)の落選。CL準決勝でハットトリックまでしたのに。
【沢田】これは兼ね合いなのかなあ。今回、国内からエーヴェルトンが選ばれてるよね。
【井戸】もう今やグレミオの攻撃の軸ですよね。少し前は(リオ五輪でも活躍した)ルアンの方が評価は高かったのですが、逆転しました。
【沢田】今回、W杯の時のウィリアンだったり、ダグラス・コスタといった、ドリブルで上がってセンターにクロスあげるタイプの選手がいないよね。そこでそのタイプのエーヴェルトンがほしかったのかなと。
【井戸】なるほど。他の攻撃はどうでしょう。
【沢田】リシャルリソンがいることで厚みができたよね。彼はウイングだけでなく、センター・フォワード(CF)もできる。W杯で活躍できなかったガブリエル・ジェズス、フィルミーノにもうひとつ選択肢が加わった。
【井戸】今回はCFのレギュラーはフィルミーノですかね。
【沢田】ありえると思う。ジェズスは若いのにうまくやろうと守備とかまで、がんばってするんだけど、もう少し得点への意欲がほしい。
【井戸】あと全体的に高齢ですよね。特にディフェンダー。現状で33歳以上が4人もいて。
【沢田】ここが一番残念だったね。特にセンターバックのミランダ(35歳)とチアゴ・シウヴァ(34歳)ね。せっかく、マルキーニョスともうひとり誰を組ませるかを試せるチャンスだったのに。デデー(30、クルゼイロ)とか使えばいいのに。いくら、所属クラブでの今季の成績が良かったからと言って、2022年には40近いんだぜ。
【井戸】これ、思うにですね、次のW杯予選の都合上の問題かと。と言うのは、22年のカタール大会は11月の開催と、例年より半年近く遅いんですよね。その都合もあり、南米予選が例年なら今年9月からはじまるはずが来年の前半までずれこんでいる。それもあり、今年の後半は毎月親善試合なんですよ。僕が思うに、チッチはそこからW杯予選用の人選をはじめて、コパ・アメリカにはあえて現状でベストなメンバーを多少高齢でも選んだのかと。
【沢田】なるほどね。堅実なチッチらしいと言えばらしい。
【井戸】今回優勝を逃すと、“監督解任”もありえる話ですからね。

気になるセレソンの対戦相手は?

【井戸】セレソンの属するグループAですが、どうですか?
【沢田】これは楽なところに入ったね。ボリビア、ベネズエラ、ペルー。これは最低2勝しないとだめだね。
【井戸】いつもの大会だとカモにしているボリビアとベネズエラがありますからね。特にボリビアは、彼らが得意とする地元の標高の高い地で試合をやるわけでもないから大差で勝たないと。
【沢田】ただ、ベネズエラは例年よりは気をつけないとね。エースのロンドンはニュー・キャッスルのエースになっているし、中盤の要のリンコンもトリノの中心メンバーだし。
【井戸】国の社会情勢はひどいですが選手は育っていますね。あそこはU20もここ数年強いし。
【沢田】ペルーより手ごわいくらい。ペルーは18年W杯に出場したけど、あのときの若いレギュラーが今回もそのまま。ただ、彼らがそれぞれのクラブで伸び悩んでいるのが気にかかるね。
【井戸】これを仮にセレソンが1位で勝ち抜くとグループBかCの3位。この場合、当たるのはBだとパラグアイ、Cだとエクアドルか日本というところですね。
【沢田】怖いのはパラグアイだね。セレソン、なぜか相性悪いんだよ。2011年、15年に2回続けてPKで負けて。
【井戸】そうでした、そうでした。
【沢田】なんかセレソン相手だと食らいついて粘るんだよね、あの国。選手層もそこそこあるし、侮れないね。
【井戸】仮にそこを乗り越えたとすると。準決勝で考えられるのはAの2位かBの2位なんですけど。
【沢田】Bの2位になる可能性のあるアルゼンチンとコロンビアがAの2位に勝って出てくるね。もしBからパラグアイが上がってきたら、実は怖いよ。アルゼンチンとコロンビア、国際的にはパラグアイより格上だけど、セレソンはカモにしてるからね。
【井戸】まさにそうですね。チッチ体制になって負けたのはアルゼンチンに1回ありますけど、その試合はレギュラーが出なかったし、昨年10月の親善試合でも勝っている。コロンビアにもチッチ体制だと2勝1分。
【沢田】コロンビアは昨年W杯で活躍したキンテロの故障欠場が痛い。これで好不調の激しいハメスひとりにゲームを任せきりになるから。
【井戸】エースのファルカオも年齢的に引っ張りすぎですしね。
【沢田】アルゼンチンは去年のW杯でもそうだけど、やってみないとわからない(笑)
【井戸】そうなんですよね。選手層は厚いんですけど。では、ずばり決勝は?
【沢田】ウルグアイだろうね。あそこは次のW杯予選ではセレソンの最大のライバルになるよ。若い選手が育っているもん。
【井戸】フォワードだとスアレス抜けてもスチュアニにペレイラがいる。
【沢田】あとゴメスというのもいる。それ以上に中盤がいいんだよ。
【井戸】ユベントスのベンタンクールにボカ・ジュニオルズのナンデス。
【沢田】インテル・ミランのベシーノにアーセナルのトレイラ。レアル・マドリッドにもヴァルヴェルデって選手が出場しはじめている。
【井戸】ウルグアイはコパ・アメリカ最多優勝で相性も良いし侮れませんね。

ネイマールのトラブルにセレソンは?

 (この対談は5月24日に行ったが、5月下旬にネイマールのレイプ疑惑が勃発。それを受けて6月に一度追記したが、その日の親善試合でネイマールが負傷し、コパ・アメリカへの欠場が決まった)
【井戸】さて、ネイマールがレイプ疑惑を起こしてしまったわけですけど。
【沢田】あの疑惑自体は、不起訴の可能性の方が高そうな気が個人的にしたけどね。でも、事件の直後だし、普通だったら故障起こす前に辞退するけどね。
【井戸】そうですよね。ただ、ブラジルだと、“容疑が確定するまでは”と容認されますよね。
【沢田】これがクラブのリーグ戦ならそれでもいいと思うけど、短期のトーナメントでしょ。だったら出ない方がねえ。
【井戸】ずばり、ネイマールの欠場が与えるコパ・アメリカへの影響は?
【沢田】本音言うと、ネイマールが出なくてもそんなに影響はないと思うんだ。14年のW杯のときは、本当にフォワードの人材がいない時代だったから、彼の欠場で盛り下がってしまったけど、今は若い良い控えが十分にいるからね。
【井戸】具体的には?
【沢田】左のウイングならリシャルリソンがいるし、コウチーニョも本来は左のウイング。さらにネレスもいるわけでさ。
【井戸】代替選手は、ヴィニシウス・ジュニオル、ルーカス・モウラ、ドゥドゥが人気の中、ウィリアンに決まりましたが。
【沢田】得点取るやつはもう足りている、という判断なのかな。いずれにせよがんばってほしいね。

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