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日本語センター=教育レベル向上策を議論=日本語教育推進法の国会成立で=教師42人が意見交換会

日本語教師意見交換会の様子

日本語教師意見交換会の様子

 日本国内で暮らす外国人を主な対象として日本語教育を推進するための『日本語教育推進法』が6月21日、参院本会議で可決、成立した。同法案には、ブラジル日本語センターの日下野良武理事長(75、熊本県)の働きかけで、海外日系社会の日本語教育支援も途中から盛り込まれた。この法案成立に先立った今月20日午後に、同日本語センターでは「『日本語教育推進法』についての意見交換会」を聖市ビラ・マリアーナ区の同センター講堂で開催。日本語教育関係者が42人集まり、日本側に提出する要望書への意見を述べた。

 日下野理事長は、昨年5月からこれまでに三度訪日した際の経緯を語り「今国会最終日までに法案は成立する予定。その後はセンターから在聖総領事館を経て、日本の国会に要望書を提出する必要がある」と説明。
 「伯国の日本語教育機関を代表してセンターに予算が下りる。そこから、要望に基づいてお金を振り分ける」と同会を開催した意義を語り、センターとして「遠隔教育や教科書開発にお金をかけたい。そのために基金を創りたいと考えている」との展望も語った。
 日本語教育関係者から最も多く意見が挙がったのは、日本語教師への資金援助だ。ジュンジアイ日本語学校の藤野琴子先生は「日本語教師の給料が安く、養成講座に行くお金を払うのも大変。奨学金があれば受けやすい」と提言した。
 マイリボラン同志会の横溝みえ先生は、若手人材の確保に苦戦している点に言及し「資金がなく、若手の定着や育成が難しい。若者支援奨学金等の制度を作ってほしい」と訴えた。
 リオ・デ・ジャネイロで昨年まで日本語教師を務めていた女性は「非日系人の日本語教師を採用する時に、何を基準にすれば良いか分からなかった。何らかの資格試験、資格証明が必要」と意見を述べた。
 国際交流基金サンパウロ文化センターの日本語上級専門家、久野元(げん)さんは「教師の地位を確保するために『資格』が必要。『日本人』『日本語話せる』という理由で先生になっている人も多い」と指摘した。同様の意見は多く「今の日本語教師は質が悪い。予算を組んで、専門家を常駐させるべき」と言い切る人も。
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今年の4月4日午前、衆議院議員会館内の馳浩衆議事務所で馳浩衆議(右)と坂本哲志衆議

今年の4月4日午前、衆議院議員会館内の馳浩衆議事務所で馳浩衆議(右)と坂本哲志衆議

 同法案は2年前から作成が進んでいたが、今年4月から日本で外国人労働者を受入拡大する新制度が施行したことにより、在留外国人が大幅に増加するのを見越して成立へ加速した。今後は外国人の日本語教育を進め、人材育成や教材開発等を支援し教育環境を整備する。
 今国会で提出され、参議院文教科学委員会を今月20日に全会一致で通過。翌日の21日に参議院本会議で実際に可決され成立した。(つづく)


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 「『日本語教育推進法』についての意見交換会」では、ブラジル日本会議の徳力啓三会長が「ブラジルで日本語を勉強してどうなるか見えにくい」と発言した。現状では日本語を好きで学んでも、日本からの進出企業が積極的に雇用するなどの学習者へのメリットはあまりない。日下野理事長はセンターの意見として「日本語を学んだという証明書を出したり、報奨金を出したい」と意欲を語っている。確かに、日本語学習のモチベーション維持に繋がる取り組みは有効かも?

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