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松柏学園=日本で医師、活躍する卒業生=里帰り歓迎会で旧交温める

挨拶をする上林さん(左)と見守る川村真倫子さん

 日本で小児外科医師として活躍する松柏学園卒業生の上林エレーナさん(44、二世)の里帰りに合わせて、聖市ヴィラ・マリアナ区の大志万学院(川村真由実校長)は、歓迎会を6月11日に開いた。卒業生や教員、父兄ら約35人が参加し、久しぶりの再開を喜びあった。日本語学校・松柏学園から私立小中学校・大志万学院が生まれた経緯がある。
 上林さんは挨拶で、「松柏学園の生徒だった頃から医師になりたかった」と話し始めた。小学生の頃に、母親ががんになり、日本で手術を受けたという。祖父も外科医だったことから、日本の医療に関心をもった。
 京都大学へ留学し、研修医として勤務した際に、日本で医師になることを周囲に勧められた。当時海外留学生で日本の医師免許を取得した例は見られなかった。さらに、日本とブラジルでは小学校から高校までの年数が異なるため、不可能に近いと言われる予備試験を医師国家試験の前に受験する必要があった。
 上林さんは田中紘一京大教授に相談し、ブラジルの文化省に手紙を書いて送り、「ブラジルで受けた教育が、日本の十分な教育に相当する証明」を取得。周囲の医師らから教材や試験対策の支援もあり、医師国家試験に合格した。
 「すぐに調べる、問題があれば臨機応変に考えて行動する。そして最後まで諦めない。これらは全て松柏学園で培ったものです」と上林さんは誇りをもって述べた。
 4月10日に東京都内で行われた「天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集い」で、安倍晋三首相や名だたる有名人に並び、大志万学院卒業生の宮﨑真優さん(16、五世)がスピーチを行ったことについても触れた。
 「私はブラジル人です。ブラジルを愛しています。そして、日本も私の中でずっと生きています」という宮﨑さんの言葉を、涙を流し聴きいったという。「日本で生きる私は日本人でありブラジル人。ブラジル人であることを誇りに、日本に暮らすブラジル人を支え、これからも頑張らねばと勇気づけられた」と言葉を詰まらせながら語った。
 上林さんは挨拶の最後を、相田みつをの詩「出逢い、そして感動。ひとを動かしひとを変えてゆくのは難しい理論や理屈じゃないんだなぁ。感動がひとを動かし、出逢いがひとを変えてゆくんだなぁ」を読み上げ、「これからも一つ一つの出逢いを大切にしていきたい」と締めくくった。
 上林さんは「子供達の心も体も元気にできるような医師になりたい」とにこやかに話した。

歓迎会の参加者

 松柏学園、大志万学院の創設者の川村真倫子さん(90、二世)は「生徒が偉くならなくても良い。ただ他人に良い影響を与えられる立派な人になってほしい。他人に親切にすることで、その人がまた別の人に親切にする。そうやって世界を少しずつ良くできれば」と笑顔で卒業生らを見つめながら話した。
 副教頭の斎藤永実さんは「久しぶりに集まって、皆それぞれの場所で頑張っていると分かり嬉しい。離れていても気持ちは同じ」と笑みをこぼした。
 上林さんはサンパウロ州立大学医学部を卒業後、小児科専門医の資格を取得。独立行政法人国際協力機構(JICA)の奨学金を得て、京都大学移植外科に海外受託研修医として勤務し、日本医師国家資格を取得。その後は日本外科学会専門医、京都大学医学博士を経て、現在は大阪赤十字病院で勤務している。

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