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《ブラジル》奴隷労働と奴隷的な仕事に線引き?=大統領が基準の見直しを示唆=雇用主の財産没収など批判

14年にパラー州で摘発された農務者用のテント(Ascom Polícia Civil)

 ボウソナロ大統領が7月30日、「奴隷的な仕事」と「奴隷労働」との線引きを明確にするための基準の見直しを示唆したと7月31日付現地紙が報じた。
 労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連の専門機関である国際労働機関(ILO)では、「奴隷的な仕事」という言葉を、奴隷的な拘束・待遇を伴う強制労働と表現している。
 他方、ブラジルの現行法では、奴隷的な仕事とは、(1)人間としての尊厳を損ない、基本的な人権を無視した、健康や命の危険を伴うような劣悪な労働条件、(2)健康や命を危険にさらすような、極度の努力や過重な労働、(3)詐欺または隔離、肉体的、精神的な暴力によって強制された労働、(4)借金や負債を負わせ、逃げ出せなくするの4条件が、個別または同時に起きるものと規定している。
 「奴隷的な労働」という表現が最初に使われたのは1888年に制定されたアウレア法だ。このような条件下では、自由が奪われるだけではなく、人権や人間としての尊厳も損なわれる。
 だが、ボウソナロ大統領が心配しているのは、ブラジルでは依然として奴隷的な労働が残っている事ではなく、先の4条件のどれか一つでも当てはまれば、雇用主の権利や資産にも影響が及ぶような罰金、罰則が適用される事のようだ。
 大統領は、昨年出会ったセアラ州の農業生産者が、農作地に労働者用のトイレを設けていなかったために罰金を科せられた例や、奴隷労働が摘発された連邦議員が家屋没収を命じられた例などを挙げ、判断の基準や提要される罰則を見直すべきだと強調した。

18年にバイア州で摘発された保健所建設現場の寝台(Ascom MPT Bahia)

 大統領によれば、この問題が特に顕著なのは農業生産者で、農務者用の住居に関する、マットレスの有無や窓の大きさなどの基準を満たしていないと告発され、家屋まで失うようでは、枕を高くして生産活動に勤しめないとも述べた。
 また、「階級闘争は、白人か黒人か、同性愛者か否か、父親か息子か、北東部の人間か、南部の人間かといったレベルだけの問題ではない。左派勢力が強調してきた、雇用主と雇用される側の間にも闘争はある」と発言。雇用主と雇用される側の距離を縮め、ブラジルの雇用形態がより健全なものとなるように努めたいとも述べた。
 大統領は奴隷と奴隷的な労働はもっと明確に線を引くべきとし、既に見直し作業を行わせているようだ。社会保障労働特別局のロジェリオ・マリーニョ局長は、下半期に改正法案を議会に提出する意向を示した。

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