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熟連芸能祭でコロニア名曲再び=中村八大の娘「父は伯国大好きだった」=遠方から続々と参加で熱気

開幕式で挨拶する上野会長

 ブラジル熟年クラブ連合会(上野美佐雄会長)は『第43回熟年クラブ芸能祭』(中川浩己実行委員長)を7月28日に聖市の静岡県人会館で開催し、朝8時から83組の演目が分刻みでプログラムされ、200人以上が舞台に上がって1年間の練習の成果を元気に披露した。午前11時過ぎからは、「上を向いて歩こう」で有名な中村八大がコロニアのために作曲した合唱曲「幸せがいっぱい」(会田尚一作詩)が、塾連コーラス教室(足立弘子さん指導)によって数十年ぶりに歌われた。

 夫の仕事の関係でブラジル駐在中の中村八大の娘Aさん(匿名希望)も会場に駆けつけ、「父はブラジルが大好きでした。この曲は初めて聞きましたが、父のそんなブラジルへの想いが込められた曲だと感じました」としみじみ語った。
 67年10月、中村八大がリオ国際ポピュラー音楽祭に来伯し、その足で来聖してシネ・ニッポン(現愛知県人会館)で日本語普及会主催の「ホームソング発表会」に出演し、自ら作曲した独唱歌「ブラジルの歌(徳満悦子作詩)」と合唱歌「幸せがいっぱい(会田尚一作詩)」を発表した。

気合の入った股旅モノを披露する高齢者

 この2曲の作曲を依頼した鈴木正威さんは中村八大と、青島の小学校時代の同級生。のちにブラジル移住して日本語普及会で働いていた鈴木さんは、日系社会で愛唱されるホームソング(故郷の歌)を作ることを思い立ち、詩をコロニアで公募して、作詞を旧友に頼んだ。鈴木さんは久しぶりにこの曲を聞き、「懐かしくて涙が出たよ。50年前のことを思い出した」と目頭を押さえた。
 当日は遠路、イタペチニンガ千歳会、インダイアツーバ新和会、リベイロン・プレット壮寿会からも久々に参加があり、カンピーナス明治会の吉村春江さん(81)も初参加し、年齢を全く感じさせない切れのある所作を見せ、会場を驚かせていた。

 開会式で上野会長は「熟連の3大年間行事の一つ。予想した300人を越える入場があり、急きょ椅子を増やして対応している。嬉しい驚き。ぜひ地方の方もさらに支部に入ってもらい、日頃の鍛錬の結果を皆に見せてください」と呼びかけた。

会場一杯になった様子

 サンパウロ日伯援護協会の井上健治副会長の挨拶に続いてブラジル日本民謡協会の塩野彰会長は「毎年見ているが、皆さん上達している。毎週練習に通って鍛錬し、芸を極める生活を送ることは人生を豊かにする。ぜひこれからも続けて」と呼びかけた。
 参加予定の90歳以上の高齢者10人のうち、その場にいた人に記念品が渡された。
 「友人が出るので初めて見に来た」という来場者の山本綾子さん(77、二世)は「御年の方がこれだけ踊れるのはスゴイ」と驚いていた。「10回以上きた」という常連の来場者、北川宏信さん(82、滋賀県)は「僕も以前2、3回出たことある。今は会場設営の手伝いを兼ねてきている。今回は80歳以上の股旅モノの気合の入り方に目を見張っている」と感心していた。

踊りを披露する皆さん


□関連コラム□大耳小耳

 『第43回熟年クラブ芸能祭』の開会式でブラジル日本文化福祉協会の林まどか副会長は、禅語「老松風心清」(ろうしょうふうしんきよし、老いた松に吹く風は清らかに感じられるように、風格のある人には敬意が集まるの意)を引用して老後の心構えをあいさつした。歳と共に身に付けた「移民の極意」ともいえる無心な所作が、なにげない日本舞踊一つに現れていた?

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