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吉川貴盛農林水産大臣が来伯=第4回日伯農業・食料対話=移民史料館「生涯忘れない」

開会式後の西森ルイス連邦下議、吉川貴盛農林水産大臣、テレザ・クリスチーナ農務大臣

 日伯両政府による「第4回日伯農業・食料対話」が今月26日午前、サンパウロ州工業連盟(FIESP)で開催された。日本からは吉川貴盛農林水産大臣、ブラジルからはテレザ・クリスチーナ農務大臣が出席し、両国の貿易・投資を促進する観点から率直な意見交換を行った。吉川大臣は午後からイビラプエラ公園の日本館を視察し、25日に訪れたや日本移民史料館同様、深い感銘を覚えたという。夜にはジャパン・ハウスで行われた「みやざきの夕べ」にも出席した。

会場の様子

 クリスチーナ大臣は5月に「G20新潟農業大臣会合」に出席するために訪日した際、吉川大臣と東京で会談。次はブラジルで「日伯農業・食料対話」を開催することになった。両大臣に加えて、パラナ州農業関係者を支持基盤とする西森ルイス連邦下議も出席した。
 吉川大臣は開会挨拶で「ブラジルは我が国にとって、食料安全保障上重要な国。世界最大規模の200万人の日系人を有し、関係が深い国だ」と関係の深さを強調、「日本企業とブラジル農牧研究会社との産学連携の構築、税制通関等の各種手続きの簡略化、北東部地域の穀物輸送・インフラ網の優先的整備についての取組状況、成果、今後の見通しを説明してもらいたい」と述べた。

会場に集まった来賓らと記念写真

 午後の記者会見で吉川大臣は「ブラジルは親日家も多く、自由経済等の価値観を共有する重要なパートナー。農業・食料関係において更に関係を強化できれば」と語った。
 日本側からは「税制通関手続き等のビジネス環境の改善、インフラの整備、焼酎のメタノール規制の緩和などの課題」について要請。メルコスル諸国との関係強化については、国内の農業界の関係もあり具体的な話はなかった。

 ブラジル側からは生鮮牛肉、豚肉、アボカドなどの輸入解禁要請があった。日本側としては、具体的な合意には至らなかったものの「これから更に進むという感触」と前向きに見ている。

「みやざきの夕べ」で挨拶した吉川大臣

 その後、「みやざきの夕べ」で挨拶した吉川大臣は、「移民のご苦労、ご尽力を知って感動しました。日本移民史料館でガイドをされた山下リジアさん(運営委員長)の語りは生涯忘れない。(開拓先没者)慰霊碑にも献花させてもらった。先ほど日系団体代表との意見交換会にも参加した。頑張ってください」と日系社会にエールを送った。

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